体幹はあらゆる動作の基盤となり、体幹がしっかり育っていると学力アップやケガ防止などさまざまなメリットがあります。子どもの体幹は特別な訓練を行わずとも、日々の遊びや生活の中で育むことができます。本記事では体幹を育むメリットや子どもの体幹を強くする方法をご紹介します。
体幹とは?
体幹とは、頭や手足を除く胴体のことを指します。体幹の役割は、主に以下の3つが挙げられます。
- 体を考えたままに動かす
- 体を支える
- 内臓を固定する
いずれも健やかな毎日を送るうえで欠かせない役割です。体幹が鍛えられていると、柔軟性が備わりやすく、咄嗟に力がかかっても倒れにくいといったメリットがあります。
子どもに体幹が大切な理由
子どもに体幹が大切な理由は、腕や脚に筋力が十分に備わっていないことが挙げられます。子どもが身体を動かし始める際、最初は体幹(胴体)を使いながら、少しずつ可動域を広げていきます。
この際、手足の先に意識を向けて体を動かすよりも、付け根、つまり体幹に意識を持つと力強く動かせます。小さい頃から体幹に意識を向ける「体幹遊び」を取り入れることで、運動能力の向上が期待できます。
子どもの体幹を育む5つのメリット
子どもの体幹を育むメリットには、以下の5つが挙げられます。
- 綺麗な姿勢を保つことができる
- 学力アップにつながる
- 運動能力がアップする
- 疲れにくい体になる
- 思わぬケガを防止できる
いずれも健やかな毎日を送るために欠かせないことばかりです。ここではそれぞれについて解説していきます。
1.綺麗な姿勢を保つことができる
体幹には「体を支えて安定させる」役割があります。体幹が強ければ綺麗な姿勢を保ちやすく、正しい姿勢を長時間維持しても疲れにくくなるでしょう。
内股やO脚など歪みを原因とした癖の予防にもつながります。また体幹が弱ければ、内臓に負担がかかりやすくなります。一度身についた癖はなかなか改善しにくいため、子どもの頃から正しい姿勢や歩き方を身につけるのが大切です。
2.学力アップにつながる
小学校に入学すると、長時間座って勉強することが当たり前になります。しかし中には長時間座っていられない子も少なからず存在します。
長時間座っていられない原因にはさまざまなものが考えられますが、体幹が育っていないことも原因の一つとして考えられます。
体幹が育っていると長時間座っていても正しい姿勢を保ちやすいため、集中力や勉強に対する意欲が持続しやすくなります。このように体幹が育っていることで、学力アップが期待できます。
3.運動能力がアップする
体幹がしっかりと育まれていると、運動能力の向上が期待できます。
体幹が育っているとボールを遠く・速く投げられるほか、俊敏な動きも行いやすくなります。スポーツを始める前には、体幹をしっかりと育てておくように意識するとよいでしょう。
4.疲れにくい体になる
体幹が弱ければ、本来であれば負担がかからないはずの筋肉にも負担がかかりやすくなります。その結果筋肉が緊張し、疲れやすい体になる可能性が高まるでしょう。
体幹が育っている場合は体を効率的に動かせる上に、筋肉に余計な負担をかけにくいことから、疲れにくい体になります。らに、効率よく全体の筋肉を動かせるため、持久力の向上も期待できるでしょう。
5.思わぬケガを防止できる
運動中に姿勢は絶えず変化しますが、体幹が育んでいればバランスが維持しやすくケガ防止につながります。軸がぶれない体は衝撃を安定して受け止められるほか、上手に力を逃せるため体への負担が少ないといえます。
子どもの体幹を強くする4つの方法
子どもの体幹を強くするには、以下4つの方法が挙げられます。
- 公園で自由に遊ばせてあげる
- アスレチックに挑戦する
- 親子遊びで育む
- のりものを使って遊ぶ
子どもの体幹を強くするために特別なことを行う必要はなく、ほんの少しだけ遊び方を意識するとよいでしょう。では具体的に解説していきます。
1.公園で自由に遊ばせてあげる
公園で思うままに遊ぶだけでも、体幹は鍛えられます。
しかし同じ公園ばかりだと、遊び方や使う部位が偏りやすいため、いろいろな公園へ行くとよいでしょう。特に体幹を強くすると言われる遊びには以下のようなものがあります。
- ジャングルジム
- 鬼ごっこ
- 鉄棒
- ボール遊び
- 平均台
ジャングルジムや平均台での遊びは、バランス感覚や空間認知能力の向上も期待できます。
2.アスレチックに挑戦する
4〜5歳頃になると、アスレチックに挑戦できるようになります。アスレチック遊びは、体幹だけでなく、思考力や空間認知能力の向上も期待できます。
森林や山にアスレチックフィールドが整備されていることが多いため、遊びながら自然を感じられることもメリットです。自然の中で子どもがワクワクした気持ちで楽しめる上に、アスレチックにあるハードルに対し挑戦しようとする心も育めるでしょう。
3.親子遊びで育む
室内で行う親子遊びでも、体幹は鍛えられます。
体幹を育む遊び方の例としては、座っている・立っている状態の親によじ登る「親登り」が挙げられます。ほかにも布団を体操マットに見立てて、組み体操を行うのもよいでしょう。
シンプルな親子遊びですが、親子のスキンシップを育める遊びです。子どもが小さい頃にしか行えないため、小さいうちに楽しみながら親子遊びで体幹を育みましょう。
4.のりものを使って遊ぶ
三輪車や自転車など、のりものを使って遊ぶのも体幹を育てるのに有効です。のりもの遊びには、以下のようなメリットがあります。
- のりものを使う動作で筋肉が鍛えられる
- 複雑な動きを同時にできる能力が高まる
- 成功体験を得られる
ペダルを漕ぐ動作は、背筋や腸腰筋が鍛えられます。またのりものを使って遊ぶことで、複雑な動きを組み合わせる力である「コーディネーション能力」も培えられます。
のりものを乗りこなせるようになるには、何度も練習が必要です。そのためコツコツと練習を積み重ねて乗れるようになったときの達成感は、自信や自己肯定感を育む効果も期待できます。
まとめ
体幹は頭や手足を除く胴体を指し、あらゆる動作の基盤です。体幹が育っていると、正しい姿勢の維持や運動・学力向上といったさまざまなメリットがあります。
子どもの体幹を育むには特別なことは必要なく、毎日の遊びや生活の中で意識するとよいでしょう。ぜひこの記事を参考に遊ぶ場所や楽しみ方を工夫し、子どもの体幹を育てていきましょう。
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