「子どもの指しゃぶりが治らない」「指しゃぶりはやめさせた方がいいのか」など、子どもの指しゃぶりについて悩まれる方も多いのではないでしょうか。成長とともに自然に落ち着く場合が多いですが、なかには癖が治らずに歯並びに影響が出る場合もあります。
本記事では、指しゃぶりの原因や年齢別の指しゃぶりの特徴、対処法をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
指しゃぶりの原因とは?
指しゃぶりは、多くの幼児が自然にする行為で、心理的な安定を求める一環とされています。新しい環境や不安な状況に直面した際、指を口に運んで安心感を得ようとする場合に見られるケースが多いです。
この行為は、子どもが無意識にストレスを解消する方法のひとつであり、集中力を高める役割もあります。しかし、指しゃぶりが長期化すると、歯並びや口腔の発達に影響をおよぼす可能性があるため、注意が必要です。
【年齢別】指しゃぶりの特徴
次は、年齢別の指しゃぶりの特徴について解説します。
- 0歳児
- 1~3歳児
- 3歳児~就学前
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
0歳児
生後数か月の赤ちゃんは、指しゃぶりを通じてさまざまな刺激に触れ、成長の一環として探索活動を行っています。たとえば、周りの物に興味を示して、手に取ったものを口に運んで形や感触、味を感じ取ります。
また、歯の生え始める時期には、歯茎がむずがゆく感じられるため、指や物を噛んで、不快感を和らげようとする場合も多いです。このような行動は、赤ちゃんが自らの感覚を発達させるための自然な過程であり、見守る姿勢が大切です。
1~3歳児
1〜3歳になると、子どもは自分の意志で歩いたり、物を操作する遊びを楽しむようになる時期です。成長とともに、指しゃぶりの頻度も自然に減少していく傾向があります。
この時期には手を使った遊びが増え、自らの感覚を通じてさまざまな物事を探索しようとする姿が見られます。その結果、指しゃぶりは主に眠気を感じる時やリラックスしたい場面での一時的な行動となる場合が多く、ほかの行動に少しずつ置き換わっていくケースが多いです。
3歳児~就学前
3歳を過ぎ、友だちと遊んだり、外の世界に触れる機会が増えると、子どもは指しゃぶりから離れていく傾向が強まります。言葉での表現力が高まり、周りの人とコミュニケーションをとる楽しさを学ぶと、自然にほかの方法で自分の気持ちを表現するようになります。
また、保育園や幼稚園での集団生活が始まると、さまざまな刺激や活動が増えるため、指しゃぶりは就寝時やリラックスしたい場面に限られる場合がほとんどです。
指しゃぶりへの対処法は5つ
次は、指しゃぶりへの対処法について解説します。
- 優しく言い聞かせる
- 指しゃぶりをしていないことを褒める
- 手遊びをたくさんする
- スキンシップで安心感を与える
- 寝る前に絵本を読み聞かせる
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.優しく言い聞かせる
指しゃぶりをやめさせたいときには、子どもが理解できるように優しく伝えてあげることが大切です。たとえば、「指しゃぶりを続けると歯並びが悪くなるかもしれないよ」や「手についているばい菌がお口に入ると病気になっちゃうかもしれないよ」と、少しずつ説明して、自覚を持たせるようにしましょう。
また、代わりにお気に入りのぬいぐるみや枕を抱きしめたり、リラックスできるほかの方法を提案すると、自然に指しゃぶりから離れられる場合もあります。
2.指しゃぶりをしていないことを褒める
子どもが指を口に入れなかったときに、「がんばっているね」「かっこいいね」などと褒めると、叱るよりも自主的にやめようとする意欲が高まります。また、指しゃぶりには衛生面でのリスクも伴います。
このため、一緒に手洗いをして「きれいにできたね」と褒めると、衛生習慣も身につけやすいです。このような積極的なサポートを通して、子どもが自然に指しゃぶりを減らせるよう見守っていきましょう。
3.手遊びをたくさんする
指しゃぶりを減らすためには、自己抑制力を高めるサポートが大切です。無理にやめさせるのではなく、手遊びなどで手元の意識を高めると、自然に指を口に運ぶ動作を抑制できるようになります。
また、手遊びを取り入れると、指先の動きに集中する機会が増え、気を逸らしやすくなる効果が期待できます。指しゃぶりの習慣を少しずつ減らして、ほかの手を使った遊びで楽しさを見つけられるよう工夫してみましょう。
4.スキンシップで安心感を与える
日々の生活で不安を感じる場面が多い場合、自然に指しゃぶりに頼りがちになります。このため、親子で触れ合う時間を意識して増やしてみましょう。
たとえば、家事の合間に子どもを抱きしめたり、会話を通して気持ちを共有したりすると、子どもは安心感を得られます。さらに、公園で一緒に遊んだり、絵本を読んだりなど、親の愛情を感じられる時間を作ると、指しゃぶりも減少していきやすいです。
5.寝る前に絵本を読み聞かせる
寝かしつけの際、指しゃぶりが気になる場合には、絵本の時間を取り入れるのがおすすめです。寝る前に絵本を読むと、子どもの気持ちが落ち着き、指しゃぶりを忘れやすくなる場合が多いです。
さらに、絵本を読みながら手を握ると、スキンシップが増え、安心感を与える効果も期待できます。親がリラックスしてゆっくりと寝かしつけをすれば、子どもも安心して眠りに入れるため、指しゃぶりも自然に減少していく可能性があります。
指しゃぶり原因でよくある3つの質問
最後に、指しゃぶりの原因でよくある質問について紹介します。
- 質問1.指しゃぶりは無理にでもやめさせた方がいい?
- 質問2.指しゃぶりが歯並びに与える影響は?
- 質問3.おしゃぶりは何歳まで大丈夫?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.指しゃぶりは無理にでもやめさせた方がいい?
指しゃぶりについて、悩む保護者も少なくありませんが、3歳までの指しゃぶりは成長過程の一部であり、無理にやめさせる必要はないとされています。しかし、3歳を過ぎると、歯並びなどに影響が出る可能性が高いです。
ただし、多くの子どもは小学校に入る頃には自然に指しゃぶりをしなくなる場合が多いです。無理やりやめさせると、かえって子どもにストレスを与える可能性があるため、成長に伴って少しずつ減っていくのを見守る姿勢が大切です。
なお、育児不安を解消する方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:育児不安を解消する方法は5つ|不安を感じる要因やよくある質問まで詳しくご紹介します!
質問2.指しゃぶりが歯並びに与える影響は?
指しゃぶりが長期間続くと、歯やあごの成長に影響をおよぼし、将来的に出っ歯や開咬といった不正咬合のリスクが高まる可能性があります。不正咬合が発生すると、自然には改善しにくく、小児歯科での矯正治療が必要になるケースが少なくありません。
また、矯正には時間と費用がかかるため、できるだけ早い段階で指しゃぶりの癖を改善するのが望ましいです。子どもの健やかな成長と将来の歯並びのために、早めの対策を心がけましょう。
質問3.おしゃぶりは何歳まで大丈夫?
おしゃぶりは赤ちゃんにとって、安心感を与えたり、眠りに導くなどの大切な役割を果たします。また、口周りの筋肉を発達させる効果があり、顎の成長にも寄与するため、幼児期には役立つアイテムです。
しかし、長期間使用すると歯並びに影響を与える可能性があり、1歳以降は言葉を発する練習も始まるため、徐々に卒業するのが理想的です。子どもの様子を見ながら、適切なタイミングでおしゃぶりを減らすように心がけてください。
まとめ
本記事では、指しゃぶりの原因や年齢別の指しゃぶりの特徴、対処法をご紹介しました。
指しゃぶりは、子どもが安心を得たり、集中力を高めたりする場合によく見られます。しかし、指しゃぶりが長期化すると、歯並びや口腔の発達に影響をおよぼす可能性があるため、注意が必要です。
年齢によって、指しゃぶりにも特徴があり、0歳の赤ちゃんは成長の一環として探索活動を行っており、1〜3歳になると、手を使った遊びが増えて、指しゃぶりの頻度も自然に減少していく場合が多いです。
また、指しゃぶりの対処方法としては、優しく言い聞かせてあげたり、褒める回数を増やしたりしましょう。さらに、手遊びやスキンシップ、就寝前に絵本の読み聞かせなどで安心感を与えるのも効果的です。
このような方法で子どもの様子を見ながらサポートし、指しゃぶりを自然に卒業できるように工夫してみてください。なお、次のページでは、乳児から幼児への成長過程やシーン別の乳幼児の区分を紹介しています。
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