乳幼児期は、子どもの成長に関して多くの変化が見られ、親としても喜びを感じる特別な時期です。この乳児や幼児などの区分は、それぞれのシーンによって使い分けられています。
本記事では、乳幼児期とはいつまでか、乳児から幼児への成長過程やシーン別の乳幼児の区分をご紹介します。また、よくある質問なども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
乳幼児期とはいつまで?
まずは、乳幼児期とはいつまでかについて解説します。
- 乳児とよばれる期間
- 幼児とよばれる期間
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
乳児とよばれる期間
児童福祉法や母子健康法において、乳児は「1歳未満の子ども」を指します。生後0日から1歳の誕生日を迎える前日までが乳児期とされ、新生児とよばれる生後28日以内の期間も含まれます。
乳児期は、母乳やミルクで栄養を摂るため「乳児」とよばれるのが一般的です。さらに、首がすわり、寝返りや伝い歩き、離乳食、言葉を話しはじめるなど、発達の段階があります。
幼児とよばれる期間
児童福祉法によると、幼児は1歳の誕生日から小学校入学までの期間を指します。この時期は、子どもの成長も目まぐるしく、歩行や言葉を覚えはじめるなど大きな変化を迎える時期です。
しかし、成長のスピードや発達の段階は子どもによって異なるため、保護者や保育者は年齢だけで判断するのではなく、子どもの個性や発達のペースを尊重してあげましょう。幼児期は、基礎的な生活習慣や自己表現を学ぶ時期であり、丁寧なサポートが求められます。
乳児から幼児への成長過程
次に、乳児から幼児への成長過程について解説します。
- 乳児期
- 幼児期
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
乳児期
乳児期は、心と体の基礎を築く大切な時期です。誕生から1歳まで、月齢ごとに異なる成長を見せるため、「0歳」と一括りにするよりも、「1か月」「2か月」と月齢でよぶ場合が多いです。
この時期、赤ちゃんは首がすわり、寝返りやお座り、ハイハイ、つかまり立ちまで少しずつ運動面での進歩を重ねます。さらに、自分の感情を表現できなかった月齢から、親の顔を見て笑ったり、不安になると泣いたりなど愛着や、信頼感が芽生えて、表情の豊かさが増していきます。
また、栄養面では、母乳やミルクからスタートして、生後6か月頃から離乳食を導入する場合が多く、少しずつ食事からも栄養を摂れるようになるのが一般的です。
なお、離乳食レシピの基本については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:離乳食レシピの基本とは?始める時期や食べさせるポイント、おすすめ離乳食アプリをご紹介!
幼児期
1歳を超えると歩行が可能になり、乳児から幼児への成長が目に見えてわかりやすいです。幼児期から自立心が芽生え、大人の言葉を冷静に理解して、「まんま」などの簡単な言葉も話しはじめます。
また、1歳後半になると、過去の出来事を記憶して、それを思い出す力がついてきます。2歳を超えると、友達との遊びも増え、社会性や自律心も育まれるのが、幼児期ならではの成長です。
【シーン別】乳幼児の区分
次に、シーンごとの乳幼児の区分について解説します。
- 医療
- 公共交通機関
- 保育園
- 幼稚園
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.医療
各自治体では、小学校入学前の子ども(乳幼児)に対して「乳幼児医療証(マル乳医療証)」を発行して、医療費を軽減しています。支援内容や負担割合は自治体ごとに異なりますが、国内のすべての自治体が乳幼児に対して支援を実施しています。
かつては、子どもを扶養していたり、所得が高かったりする場合は、助成対象外とする自治体もありました。しかし、最近では子育て支援の格差解消が議論され、所得関係なく助成を受けられる地域も増えています。
2.公共交通機関
公共交通機関では、電車やバスにおける子どもの区別が法律で定められています。乳児は1歳未満、幼児は1歳〜6歳未満と区分があり、どちらも運賃がかかりません。しかし、小児は6歳〜12歳未満と区別されており、小児からは小児料金がかかります。
さらに、特急の場合は、乳幼児でも利用料金がかかります。また、飛行機の国内線においては3歳から子ども料金がかかり、3歳未満でも座席が必要な場合には追加料金がかかる点に注意が必要です。交通機関によっては、小児料金が異なるため、利用する前にホームページで料金システムを確認しておけば安心です。
3.保育園
保育園では、児童福祉法定義とは異なり、一般的に0歳から2歳までの子どもを「乳児」、3歳以上を「幼児」として区別します。5歳まで年齢ごとにクラス分けされる場合や、3歳以上をまとめて「幼児クラス」として扱う場合などさまざまです。
クラス編成の基準は、食事の介助やトイレの援助など、発達に応じたケアの内容や関わり方の違いにもとづいています。また、3歳以上を幼児として扱う理由は、この年齢になると子どもがトイレや食事を自主的にできる場合が多く、サポートの必要性が減り、集団生活における自己管理が進んでいくためです。
なお、保育園の見学はいつから行くべきかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2024年最新】保育園の見学はいつから行くべき?依頼するまでの流れもわかりやすく解説
4.幼稚園
幼稚園は、基本的に満3歳から入園が可能です。児童福祉法定義によれば、この年齢の子どもは「幼児」に分類され、全員が幼児として扱われます。年少は3歳〜4歳の子どもが該当しますが、満3歳を迎えた時点ですぐに入園できるわけではなく、園の方針によって入園時期が異なる場合が多いです。
また、幼稚園は教育を目的とする「学校」に分類されており、子どもの「預かりと養護」を重視する保育園とは役割に違いがあります。
乳幼児期 いつまででよくある3つの質問
最後に、乳幼児期はいつまでによくある質問について紹介します。
- 質問1.赤ちゃんはいつまでを指す?
- 質問2.新生児とよばれるのはいつまで?
- 質問3.小児とは?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.赤ちゃんはいつまでを指す?
「赤ちゃん」という言葉は、厳密な年齢を表す専門用語ではありません。広辞苑には「生まれて間もない子ども」と定義されていますが、成長段階の明確な区切りはなく、人によって捉え方が異なります。
また、一般的にミルクや母乳が必要なくなる時期の1歳前後までを、「赤ちゃん」と見なす場合もあります。さらに、歩きはじめたばかりの子どもに対しても愛称として使われる場合も多いです。
質問2.新生児とよばれるのはいつまで?
新生児とは、産まれた日を「0日」として、生後28日未満の子どもです。このため、28日目は新生児の期間として含みません。
この期間の赤ちゃんは「乳児」や「赤ちゃん」とよばれる場合があり、愛情と成長を感じる大切な時期になります。また、日本にはお食い初めやお宮参りといった伝統的な行事があり、「産まれた日を1日目」と数えるのが一般的です。
質問3.小児とは?
「小児」とは、児童福祉法において出生から思春期に至るまでの子どもを指す言葉です。一般的に女児は14〜15歳、男児は16〜17歳までが該当しますが、個人差があるため、一律に定義するのは難しいとされています。
また、旅客および荷物運賃規則では、小児は「6〜12歳未満」と定められており、飛行機や電車の運賃区分にも用いられています。さらに、「小児」は医療や看護分野でよく使われ、同時代の子どもを表す「児童」や「学童」という言葉とは異なり、成長や健康に関連した場面で使用する機会が多いです。
まとめ
本記事では、乳幼児期とはいつまでか、乳児から幼児への成長過程やシーン別の乳幼児の区分をご紹介しました。
児童福祉法や母子健康法において、乳児は「1歳未満の子ども」を指します。生後0日から1歳の誕生日を迎える前日までが乳児期とされ、新生児とよばれる生後28日以内の期間も含まれます。一方、幼児は1歳の誕生日から小学校入学までの期間です。
それぞれの時期では、首がすわり、寝返りや伝い歩き、離乳食など、発達の段階があります。さらには、歩行や感情表現、発語、表情などの大きな変化も見られる時期です。
また、乳幼児の区別は場面ごとに異なり、医療では「乳児」「幼児」、公共交通機関では「乳児」「幼児」「小児」、保育園や幼稚園でも独自の区別が用いられています。このため、それぞれの場面に応じた対応が必要になります。
なお、次のページでは、子育てがひと段落するのはいつか、少しでも楽にする方法や自分の時間を確保するコツを紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
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