子育てをしているとの悩みは尽きないものです。その悩みを相談できず、一人で抱え込んでしまう方も多いでしょう。しかし、子育てに悩んでいるのは自分一人だけではありません。
今回はママ・パパに向けて、よくある育児の悩みをご紹介していきます。また、悩みの解決策もご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
21世紀出生児縦断調査から見る育児の悩み
まずは子育てでどんな悩みが多いのかを見ていきましょう。多くの人が抱える子育ての悩みの傾向を知るには、厚生労働省が調査する21世紀出生児縦断調査を参照すると実態が掴みやすいです。
21世紀出生児縦断調査とは、21世紀の初年に出生した子の実態、経年変化の状況を観察するため、同じ対象者を継続的に調査したものです。過去に出生した子を継続的に観察している調査と比較することで、少子化対策等の施策の企画立案や実施のための資料を得るのが目的です。
上図は「主な子どもを育てていて負担に思うことや悩み」が、調査を重ねるにあたりどのような変化があったかを示したものです。
図より子どもが大きくなるにつれ、「自分の自由な時間が持てない」「子育てによる身体の疲れが大きい」「目が離せないので気が休まらない」といった悩みは減ることがわかります。
しかし「子育てで出費がかさむ」点は、子どもの年齢が上がるにつれて上昇をたどっています。また「仕事や家事が十分にできない」点は、一時上昇するものの下降しています。
このように子どもの年齢変化により、子育ての悩みは変化していくものの、悩みは尽きないことがよく分かります。
子育て中の夫婦が抱える育児の悩み10選
子育て中の夫婦が抱える育児の悩みには以下の10個が挙げられます。
- お金に対する不安
- 子どもの将来や教育方針
- 叱り方やしつけ方
- 子どもの食事
- 育児と仕事の両立
- 発育に関する不安
- 夫婦や自分の時間確保
- 感情をコントロールできない
- 身体的な疲労
- 保育園や幼稚園に関する不安
いずれも、子育てをしている方にとって共感できる悩みばかりです。ここでは詳細をお伝えしていきますので、参考にしてみてください。
よくある悩み①お金に対する不安
子育て中の夫婦の悩みでよくあるのが、お金に対する不安です。子どもにかかるお金は、食費や日用品、学費はもちろん、必要に応じて習い事の費用や塾代もかかります。
保育園や幼稚園から大学まで子どもを通わせる場合は1,000万円ほど、私立の場合は2倍以上の費用がかかるとされています。
親としては子どもにお金を気にせず教育を受けさせたいと思うものですが、教育費が家計を圧迫し、日々や老後の生活に不安を覚える事態は避けたいと考える家庭は多いでしょう。
よくある悩み②子どもの将来や教育方針
「子どもの将来や教育方針」について悩まれている方も多いです。悩みの内容は、学習や習い事、進路のような教育方針に関するものと、性格や友達との人間関係の2つに分けられます。
具体的には「何歳から英語を習わせるといいのか分からない」「子どもが学校の勉強についていけていない」「子どもの勉強や習い事にどこまで関与したらいいのか分からない」といったものが挙げられます。
習い事は就学前から始める子もいますが、どのような習い事をさせたらいいか、小学校に入ると学校の勉強とのバランスはどう保ったらいいのかなどを心配する声もあるようです。こういった教育面の悩みは、小学生以上の子どもを持つ両親に多い傾向があります。
よくある悩み③叱り方やしつけ方
叱り方やしつけ方に対しての悩みも多いです。例えば2歳前後のイヤイヤ期は「どう対応したらいいのか分からない」「効果的な叱り方が分からない」といった悩みが挙げられます。
未就学前の子どもの場合、叱ってもうまく伝わらないと悩んでいる方も多いです。小学生を持つ親御さんからは、「子どもが言うことを聞かない」「自分の言葉が子どもに届いていない気がする」と悩む人も多いようです。
よくある悩み④子どもの食事
子どもの食事に対しての悩みもあります。例えば「食べる量が少ない」「野菜を食べてくれない」「食事中もおしゃべりが止まらず、食べ終わるのに時間がかかる」といった悩みです。
他にも「子どもの月齢・年齢に合わせた食事がわからない」もしくは「子どもがアレルギー持ちのため食事作りが大変」といった調理に対する悩みもあるようです。
よくある悩み⑤育児と仕事の両立
仕事をしている方は、育児との両立も悩みに挙げられます。「できるだけ子どもとの時間を優先させたい気持ちはありつつも、実際に働くことになると、時間に追われて育児と子育ての両立は難しいものです。
また保育園や幼稚園といった子どもの預け先や、子どもの急な体調不良により仕事を休まざるを得ない場合の対応など、他にも多くの悩みが複合的に絡んでいます。
よくある悩み⑥発育に関する不安
ある程度月齢を重ねると発育に関して悩む親御さんもいます。例えば「周りの子と比べて、うちの子はあまりしゃべらない」「他の子はもう歩いているのに、自分の子どもはまだ歩かない」「一人遊びが多い」といったものです。
子どもの発育は個人差が大きいものです。周りと比較し発育が他の子よりも遅かったり早かったりすると、自分の子どもに何か問題があるように感じてしまうでしょう。
しかし、今はできなくても年齢が上がるにつれてできることは増えていくものです。焦らずゆっくりとおおらかな気持ちで子どもの成長を見守りましょう。
よくある悩み⑦夫婦や自分の時間確保
子どもが生まれると子育てに追われ、夫婦二人きりの時間や自分一人で過ごす時間がほとんど持てなくなります。
子どもがいることや仕事のすれ違いから夫婦の時間が持てず、コミュニケーションやスキンシップ不足に陥り悩む家庭も少なくありません。
また子育て中は、子どもが小さいうちは特に自分の時間がほとんど持てない人も多いです。一人の時間が持てずイライラが募り、子どもや夫との関係が悪化する場合もあります。
よくある悩み⑧感情をコントロールできない
子育て中は子どもの予測できない行動に一喜一憂しやすく、感情をコントロールしにくいものです。したがって「イライラした気持ちのまま子どもと接してしまう」「感情のコントロールができず、怒ってばかりいる」という方も多いでしょう。
子育ては思い通りにいかないことが多いため、育児のストレスが解消できず、感情をコントロールする余裕がなくなる場面が多いです。
よくある悩み⑨身体的な疲労
身体的な疲労も、子育てでよくある悩みの1つです。月齢が低い時期は夜も頻繁に授乳が必要で、朝までぐっすり眠れません。
子どもが少し大きくなると、今度は抱っこ、おんぶといった力仕事の頻度が増えます。昼寝をしても子どもに起こされる、といったことも頻繁に発生するため、ゆっくり身体を休ませられません。
時には両親や義両親といった家族に頼ったり、一時保育などを上手く利用したりしながら、休める時間を取ることも時には必要になるでしょう。
よくある悩み⑩保育園や幼稚園に関する不安
保育園や幼稚園に関する不安もあります。例えば、保育園や幼稚園は定員が決まっているため、家から遠い園への入園を余儀なくされたり、もしくは入園自体ができなかったりします。
共働きが増えている昨今、保育園や幼稚園に入園できるかは、仕事復帰ができるかを決める重要な問題です。
育児の悩みを解決する5つの方法
育児の悩みを解決する方法には以下の5つが挙げられます。
- 1人の時間を持つ
- 完璧を求めない
- 子どもとの時間は量より質にこだわる
- 夫婦間でしっかりと話し合う
- 親戚や友人、地域を頼る
子育ての悩みはどれも大変なものばかりですが、育児の悩みを少しでも和らげるためにできることはあります。
1.一人の時間を持つ
育児の悩みを解決するためには、一人の時間を持つのが大切です。子どもはかわいいものの、一人の時間を持たないと息が詰まる人も多いです。
一人の時間を作るとなると罪悪感を持ちやすいですが、自分の時間が取れないことでイライラを子どもにぶつけてしまっては本末転倒です。余裕を持って子どもと接するためにも一人の時間を持ち、自分を大切にしましょう。
2.完璧を求めない
完璧を求めないことも大切です。いいパパ・ママになろうと頑張ることは素晴らしいですが、そうなると子どもにも完璧を求めやすく、自分と子どもを苦しめる結果につながります。
子育てはもちろん、料理や掃除、洗濯といった家事も含め、無理せずできる範囲で行っていきましょう。時には「いつも頑張ってる、えらいね」と自分自身を褒めてあげるのも大切です。
3.子どもとの時間は量より質にこだわる
子どもとの時間は量より質にこだわりましょう。子どもとの時間は長いだけが大切というわけではありません。
例え時間が少なくても、子どもとしっかり向き合い関わることで、質の高い時間が過ごせます。
4.夫婦間でしっかりと話し合う
夫婦間でしっかり話し合うことも大切です。例えば子育てにおいては、教育やお金の使い道といったものが挙げられます。子育ての悩みは、それぞれの家庭によって異なります。
夫婦間の話し合いやお互いの協力により、解決できることがあるはずです。お互いに頼り合い、一緒に子育てを乗り越えていきましょう。
5.親戚や友人、地域を頼る
親戚や友人、地域を頼ることも大切です。特にママが一人で子育てをしている間は、孤独感や不安が生まれやすいものです。
子育ては一人でなく、多くの人の力を借りて行いましょう。時には両親や友達を頼ったり、一時預かりを利用するのもおすすめです。
育児の悩みを相談できる5つの窓口
育児の悩みを相談できる窓口には、以下の5つが挙げられます。
- 自治体の子育て相談窓口
- 子育て・女性健康支援センター
- 児童相談所
- よりそいホットライン
- エンゼル110番
どうしても困ったときには、頼れる相談窓口がたくさんあります。いざというときにすぐ活用できるよう、今から相談窓口を把握しておきましょう。
1.自治体の子育て相談窓口
引用:子育ての総合相談(子ども家庭支援センター)|東京都北区
自治体には、子育て相談窓口が設置されています。相談窓口には専門のスタッフがいるため、子育ての悩みを相談することが可能です。
悩みの中には、友達や両親に話せないこともあるでしょう。お住まいの自治体のホームページには、子育て相談窓口の連絡先が載っていますので、困ったことがあったら相談してみてください。
2.子育て・女性健康支援センター
引用:https://www.midwife.or.jp/general/supportcenter.html
日本助産師会では、助産師による「子育て・女性健康支援センター」を設けています。子育ての悩みはもちろん、妊娠や出産、更年期に関する相談を、専門知識のある助産師が受け付けています。
また、思春期の子を育てる女性のこころと身体の悩みなども受け付けており、幅広い相談が可能なため、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
3.児童相談所
児童相談所でも育児相談を受け付けています。全国共通ダイヤルである「189」に電話すれば、お住いの地域の児童相談所につながります。(24時間対応)
児童相談所は福祉や子どもに関する専門職が配属されており育児の相談にも親身なアドバイスが期待できます。子育てや生活全般のことで話ができると、心も軽くなるでしょう。
4.よりそいホットライン
引用:☎ 0120-279-338 よりそいホットライン | 一般社団法人 社会的包摂サポートセンター
よりそいホットラインは、一般社団法人社会的包摂サポートセンターが運営する、誰でも利用できる電話相談窓口です。
育児だけでなく自分自身や家族、人間関係や仕事、暮らしの悩みまでどんな内容も相談できます。(24時間対応、通話料無料)
5.エンゼル110番
引用:エンゼル110番
エンゼル110番は森永乳業が行っている無料の電話相談で、妊娠中の方から、小学校入学前までのお子さんに関する悩みに対応しています。
エンゼル110番のホームページには、よくある相談内容や育児に関するコラムなども掲載されていますので、合わせてチェックするといいでしょう。
育児の悩みはひとりで抱え込まず周囲の協力を得ることが大切
育児の悩みは多く、一人で抱え込んでしまいがちです。しかし育児の悩みは、親であれば誰もが抱えやすいものです。
一人で抱え込んで苦しくなる前に、ぜひ周りを頼ってリフレッシュしながら、子育てを楽しみましょう。
コメント