子どもの妊娠や出産により、将来の教育費に備え、学資保険の加入を検討するママパパは多いでしょう。しかし、いつから申し込むべきか悩む人も少なくありません。
この記事では、学資保険の最適な加入時期や、早めに加入するメリット・デメリットをわかりやすく解説します。学資保険の基本的な仕組みを知り、お得に活用しましょう。
学資保険はいつから入れる?
学資保険は、子どもが0歳の時点から加入することが可能です。
また、妊娠中の親にとって便利なのが、出生前加入特則です。これを利用すれば、妊娠中でも学資保険に申し込むことができ、出生予定日の約140日前から加入申し込みが可能なプランが多く見られます。
子どもの誕生直後に加入すると、保険料の支払い期間が長くなり、その分、毎月の負担が軽減されるというメリットがあります。
学資保険を早めに加入するメリットは4つ
ここでは、学資保険を早めに加入するメリットを紹介します。主に次の4つが挙げられます。
- 保険料の負担を抑えられる
- 返戻率が高くなる
- 商品の選択肢が多い
- 親の万一に備えられる
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
1.保険料の負担を抑えられる
学資保険は加入期間が長いほど、保険料の支払期間が伸びます。そのため、月々の保険料負担を軽減することが可能です。
この保険は、子どもの学校教育にかかる費用を目的とした積立型の保険です。高校や大学へ進学するタイミングに合わせて資金を準備するため、子どもの年齢が低いほど積立期間が長くなり、それに伴い月々の保険料が低く設定されます。
たとえば、18歳までに300万円を積み立てる場合の月々の保険料を、0歳から始めた場合と6歳から始めた場合で比較します(運用益は考慮せずに計算)。
【0歳開始の場合(積立期間18年)】
300万円 ÷ 18年 ÷ 12ヶ月 = 月々約13,890円
【6歳開始の場合(積立期間12年)】
300万円 ÷ 12年 ÷ 12ヶ月 = 月々約20,840円
上記の通り、早期に加入するほど、月々の保険料が低くなります。
2.返戻率が高くなる
学資保険は積立期間が長いほど、返戻率が高くなります。返戻率とは、保険料総額に対して受け取ることができる金額の割合を指します。
この返戻率が100%を超えると、支払った金額よりも多くの資金が戻ってくるため、お得です。しかし、100%未満の場合は、支払った額よりも少ない金額しか戻らず、損をすることになります。
保険会社は、支払われた保険料を運用して利益を得ます。そのため、運用期間が長いほど、より多くの利益を生み出すことが可能です。
従って、学資保険に早期に加入すると、長い運用期間を通じて返戻率を高めることができるのです。
3.商品の選択肢が多い
学資保険の加入には、親子それぞれの年齢に関する条件が設けられているのが一般的です。そのため、希望する商品やプランへの加入が遅れると、選択肢が限られる可能性が出てきます。
特に、妊娠中や子どもがまだ幼い段階で学資保険の選択肢を検討することで、より多くのプランから選べられます。従って、学資保険の加入を考えている場合は、早めに情報を収集し、開始するのがおすすめです。
4.親の万一に備えられる
学資保険は教育資金の準備を主な目的としていますが、保障も備えています。
多くの学資保険では、契約者(親)が死亡や高度障害の状態になった際、以降の保険料の支払いが免除される条項が設けられています。保険料免除になっても、保障内容は維持され、教育資金や満期保険金の受取が可能です。
貯蓄のみで教育費を備える場合、親が万一の事態に見舞われると教育費の確保が困難になるリスクがあります。しかし、学資保険に加入していれば、親に何かあった場合でも子どもの教育費を確実に準備できます。
学資保険を早めに加入するデメリット
保険全般に共通する点として、払い込み期間が完了する前に解約すると、支払った保険料よりも少ない金額しか戻ってこない「元本割れ」のリスクがあります。学資保険も例外ではありません。
早期に加入すると、その時点から保険料の支払いが始まります。その結果、「保険の内容を再考したい」「保険料の支払いが負担になっている」といった理由で解約を考えた際、早期解約による元本割れの可能性が出てきます。
ただし、保険料の総額は、払い込み期間が10歳までなどと定められている場合、早く加入するほど月々の負担は軽くなる傾向です。そのため、保険料の負担が原因での解約リスクは、加入が遅れるほど高まるとも言えます。
従って、学資保険の早期加入に伴うデメリットは限られており、同じプランに加入するなら、早めの加入が望ましいでしょう。
学資保険をさらにお得にする3つの方法
続いて、学資保険をさらにお得にする方法を紹介します。主に次の3つです。
- 払い込み期間を短くする
- まとめて支払う
- 受け取り時期を工夫する
項目ごとに詳しく見ていきましょう。
1.払い込み期間を短くする
学資保険において、保険料の支払い開始時期が同じであれば、払い込み期間を短くすることで返戻率を高めることが可能です。
ただし、払い込み期間を短くすることは一見有利に思えますが、いくつかの注意点を考慮しましょう。たとえば、契約者(親)が死亡や高度障害に陥った場合の保険料免除は、保険料を支払っている期間に限定されます。
そのため、払い込み期間が17歳まで設定されている場合は、契約者が12歳で何らかの事態に遭遇した際には、12歳以降の保険料は免除されます。しかし、もし払い込み期間が11歳までであれば、保険料が戻ってくることはありません。
また、保険料控除に関しても、控除を受けられるのは保険料を支払っている期間のみです。したがって、払い込み期間が短い場合、税控除を受けられる期間も短くなります。
保険料控除による節税効果と返戻率の向上による利益を比較し、自身にとって最適な払い込み期間を選択しましょう。最も重視すべき点は、月々の保険料が負担にならないことです。
2.まとめて支払う
学資保険の支払いは、月払いが一般的ですが、半年払いや年払いなど、一度に複数月分の保険料を支払える商品プランもあります。
まとめて保険料を支払うと、返戻率が上がります。まとまった金額が用意できる場合、年払いなどに変更を検討してみるのもよいでしょう。
3.受け取り時期を工夫する
学資保険の返戻率は、受け取り方法によっても異なります。さまざまな受け取りオプションが用意されており、子供の成長段階や進学プラン、家計の状況に応じて、最適な受け取り時期を選択することが重要です。
たとえば、子供の各入学時に分割で受け取るプランや、大学進学時に一括で受け取るプランなどがあります。
一般的に、受け取り時期が遅いほど返戻率は高くなる傾向にあります。そのため、高額な大学費用に備えて一括受け取りを選択すると、貯蓄効果を高めることができます。
また、複数回に分けて受け取るタイプの商品では、返戻率が100%に満たない場合もあります。貯蓄性を重視する場合は、この点にも注意しましょう。
学資保険はいつ入るでよくある3つの質問
ここでは、学資保険に関するよくある質問にお答えします。
- 質問1.そもそも学資保険とは?
- 質問2.学資保険はいつまでに入るべき?
- 質問3.5歳から学資保険に入るのはもう遅い?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
質問1.そもそも学資保険とは?
学資保険は、子供の進学に伴う教育資金を確保するための貯蓄型保険です。定期的に保険料を支払うことで、子供の進学に合わせて祝金や満期保険金を受け取ることができます。
また、万一の事態に備える保障機能も備わっています。契約者が死亡または高度障害状態になった場合、以後の保険料支払いが免除され、そのまま予定通りの祝金や満期保険金が受け取り可能です。
さらに、子供が病気や怪我をした場合、給付金が受け取れる医療保障の特約がついた学資保険も存在します。
なお、次のページでは、学資保険の基本的な特徴や最適な加入時期、選ぶ際のポイントを詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
関連記事:学資保険は必要?加入するメリット・デメリットから選ぶ際のポイントまでわかりやすく解説! – コカラ
質問2.学資保険はいつまでに入るべき?
学資保険に加入する際、子どもの年齢に6歳または7歳までの制限が設けられているものが多いです。そのため、子どもがこの年齢に達する前に加入を検討する必要があります。
また、子どもの年齢だけでなく、契約者(保護者)の年齢にも制限があります。希望する加入プランの内容だけでなく、子どもと契約者の年齢制限にも注意し、最適なタイミングで加入しましょう。
質問3.5歳から学資保険に入るのはもう遅い?
学資保険の加入は、可能な限り早い時期を推奨しています。年齢が高くなるにつれて月々の保険料が高くなることや、返戻率が100%を下回るリスクを考慮すると、加入のメリットが減少するためです。
しかし、5歳からの加入でも、保険の種類や支払い方法を工夫することでメリットは得られます。6歳を過ぎると加入できないプランもあるため、5歳ごろまでが、商品数が多く十分な積立期間を確保できる最後のチャンスと言えます。
まとめ
いつから学資保険に入ればいいか悩む方も多いですが、申し込みに関して特にルールはありません。しかし、ほとんどのプランに契約者と子どもの年齢制限が設けられている点には注意が必要です。
また、妊娠中から加入できる商品も多いため、早期加入の検討をおすすめします。学資保険に早く加入することで、毎月の保険料負担が軽減され、返戻率が向上するなどのメリットがあります。
また、予測不能な事態への備えとして、保障を受けながら教育費を貯蓄することが可能な点も、学資保険の大きな特徴です。
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