保育園でよくあるヒヤリハットとは?事例や対処法、よくある質問までご紹介!

保育園

ヒヤリハットは、重大な事故や災害に至らなかったものの、その可能性がある状況を指します。予期せぬ出来事や事故寸前の状況で感じる「ヒヤリ」とする感覚や、「ハッ」とする瞬間から名付けられました。

保育園では、子どもを危険から守るために、ヒヤリハットに対して特に注意が必要です。この記事では、保育園でよく見られる10の事例を基に、効果的なヒヤリハット対策を詳しく紹介します。

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保育園で起こるヒヤリハットとは?

保育園で起こるヒヤリハットとは?

ヒヤリハットとは、重大な事故や災害には至らないものの、危険を感じて思わずヒヤッとする、またはハッとする瞬間のことです。ヒヤリハットによる気付きで、事故や災害を引き起こす要因を特定し、それに対する対策を講じることで、保育園における安全管理の質を高められます。

従って、ヒヤリハットはリスクマネジメントの観点から、多くの保育園で注目され、重要な取り組みとして位置付けられています。

保育園で起きた事故報告件数

保育園で起きた事故報告件数

こども家庭庁が2023年8月に発表した「令和4年教育・保育施設等の事故報告集計」によると、その年の事故報告件数は2461件、前年比で114件の増加が見られました。そのうち、1897件が骨折を含む事故だったことが報告されています。

このような事故を未然に防ぐには、保育施設での潜在的な危険を認識し、環境を整えることが重要です。加えて、保育士は園内外での危険について十分に理解し、事故防止のためのマニュアルやルールに従って、園児の安全管理を徹底する必要があります。

出典:「令和 4年教育・保育施設等における事故報告集計」

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保育園でよくあるヒヤリハット事例と対処法10選

保育園でよくあるヒヤリハット事例と対処法10選

ここでは、保育園でよくあるヒヤリハットの事例と対処法を紹介します。それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

事例1:衝突

保育園では、子どもが友達や物にぶつかりそうになる瞬間が発生しやすい環境です。

子どもたちは夢中で遊んでいるため周囲を見失いやすく、振り向いたとたんに友達と衝突したり、顔を上げた瞬間に棚に頭をぶつけそうになったりします。これらの事故が実際に起きてしまうと、鼻血や前歯の欠損などのケガを負う可能性があるでしょう。

さらに、はさみなどの危険なアイテムを使用中に他の子どもとぶつかってしまうと、より大きなケガにつながることも考えられます。

このような状況を防ぐために、保育室内の机やロッカー、備品の角にはコーナーガードを設置するなどの対策が必要です。また、子どもたちと定期的に安全に関する約束事を確認し、保育環境を整えましょう。

事例2:転倒・転落

保育園は、子どもたちの元気な活動により、転倒や転落事故が起こりやすい環境です。

たとえば、足を滑らせたり、遊具から落ちたりする事故は頻繁に発生しやすいです。また、子ども同士が手をつないで走っている際に一方が転倒し、もう一方も引きずられる形で転倒することもあります。

重大な事故へと発展しないように、保育士は遊具ごとに起こり得るヒヤリハット事例を把握し、子どもたちを注意深く見守ることが重要です。また、子どもたちから目を離さないよう、保育士同士で立ち位置を決め、常に監視することで、転倒・転落事故を減少させましょう。

事例3:誤飲

保育園では、ビーズやおもちゃの小さな部品などを誤って飲み込む事故が発生する恐れがあります。

特に0歳から2歳半の子どもは、何でも口に入れる傾向があるため、保育士は床に物が落ちていないかを常に注意して監視する必要があります。清掃を定期的に行い、環境を安全に保つことが重要です。

さらに、おもちゃが壊れたり欠けたりしていないかの点検も行い、子どもたちが口に入れる危険性を最小限に抑えることが求められます。

事例4:食物アレルギー

食物アレルギーは、子どもの命に関わる非常に重要な問題です。食物アレルギーを持つ子どもへの対策として、配膳方法の徹底やスタッフ間によるアレルギー情報の共有が大切です。

また、食物アレルギーの子どもは、アレルゲンを口にするだけでなく、目や鼻、皮膚への接触によっても反応を示すことがあります。そのため、食べ物に触れた手で顔を触るなどの行動にも警戒が必要です。

事例5:睡眠中

乳幼児突然死症候群のリスクを踏まえ、保育園では睡眠中の安全対策に注意を払いましょう。うつぶせ寝を避けて仰向けに寝かせる、定期的に呼吸確認するブレスチェックなどが該当します。

また、掛け布団やタオルケットが子どもの呼吸を妨げないようにすることも重要です。保育士は、各子どもの睡眠中の様子を定期的に監視し、記録することで、睡眠中も安全に過ごせる環境を提供します。

事例6:プールなどの水遊び

プールなどの水遊びは、子どもたちが盛り上がりやすいイベントのため、それに伴い事故のリスクも高まる傾向です。たとえば、濡れた地面に滑って転倒する事故や、プール内でバランスを崩すケースが挙げられます。

特に0〜1歳児の場合、少量の水でも溺れるなどの重大な事故につながる可能性があります。そのため、水遊び中は通常時以上に子どもたちの行動に細心の注意が必要です。

見守る職員の配置人数を増やし、子どもたちが安心して遊べる場を整えましょう。

事例7:やけど

施設によって、ファンヒーターを使用する保育園もあります。このような暖房器具は子どもの目線の高さで確認し、触れないように柵などで囲う安全対策が必要です。

また、給食の配膳時やお菓子作り中にも、やけどのリスクがあります。これを防ぐためには、子どもたちの動きを事前に予測し、環境を整備することが重要です。

事例8:散歩中

保育園の散歩中は、子どもたちが外の環境に興味を示し、予期せぬ行動を取るケースがあります。外の世界は子どもにとって刺激的で、急に走り出したり、動物に無防備に近づいたり、溝に落ちそうになるなど、大人には想像もつかないような危険が潜んでいます。

対策として、交通量の少ない安全なコースを選びましょう。また、散歩前にコースを下見して、危険箇所を確認することも効果的です。

さらに、十分な数の保育士を配置し、子どもたち一人ひとりに目を配ることで、事故のリスクを減らすことができます。保育園の散歩では、事故が起こる可能性を前提に徹底した準備と対策を行い、子どもたちが安全に楽しく外の世界を探索できるよう配慮することが大切です。

事例9:公園

公園は、市による定期的な遊具の点検が行われているものの、劣化した金属部品や欠けた木片などが原因で子どもが怪我する可能性は完全には排除できません。また、遊具に挟まれる事故や高い場所からの落下など、さまざまなリスクが存在します。

公園を利用する際には、保育士が事前に遊具をチェックし、危険がある場合は子どもたちに遊具の使用を禁止するか、場所を変更しましょう。また、公園の出入り口にも注意を払い、子どもが飛び出して車にぶつかる可能性を防ぐための措置も必要です。

事例10:不審者

散歩中に不審者に声をかけられたり、つけ回されたりすると、子どもに恐怖を与え、事件につながる可能性があります。そのため、保育士は防犯ブザーを携帯し、人通りの少ない道を避けるなど、安全対策を講じましょう。

また、園内に不審者が侵入するリスクにも考慮が必要です。送迎時に玄関が開けっ放しになることがあるため、施設入口の管理や、不審者の侵入を防ぐための対策が求められます。

さらに、子どもたちに対して「知らない人についていかない」「知らない人に話しかけられたらすぐに先生を呼ぶ」といった安全に関する約束事を定期的に教えることも重要です。

【年齢別】保育園で起こりやすいヒヤリハット

【年齢別】保育園で起こりやすいヒヤリハット

続いて、年齢別に保育園で起こりやすいヒヤリハットを紹介します。

  • 0〜1歳児
  • 2歳児
  • 3歳児以上

それぞれ詳しく見ていきましょう。

0〜1歳児

0歳児は、寝返りによるベッドからの転落や、寝具による窒息、さらには何でも口に入れることによる誤飲のリスクがあります。特におむつ交換時の転落には注意が必要です。

また、1歳児になると歩行が不安定になり、つかまり立ちからの転倒、テーブルに頭を打つなどの事故が増加します。この年齢の子どもたちは、自分の体を上手にコントロールできないため、保育士は子どもの動きに常に注意を払いましょう。

このように、0〜1歳児の保育においては、成長に伴う行動変化に応じた柔軟な安全対策が求められます。保育士は子どもたちの発達段階を理解し、それに合わせた安全管理を徹底することで、事故のリスクを減らすことが可能です。

2歳児

2歳児はトイレトレーニングが始まる年齢であり、滑りやすいトイレの床での転倒や、手洗い石鹸やトイレ用洗剤の誤飲が懸念されます。この年齢の子どもたちはまだ何でも口に入れて確認する習性があるため、誤飲による窒息に注意が必要です。

また、2歳になると手先が器用になり、遊びがより活発になるため、遊具からの転落やブランコとの衝突などの事故リスクも高まります。保育士は、これらのリスクを認識し、トイレの環境整備や遊具の安全管理、子どもたちの行動の監視を徹底することが重要です。

3歳児以上

3歳児以上の子どもは、友だちとの遊びが活発になり、動きも大胆になるため、ケガや事故のリスクが増えます。彼らは高い遊具に登ったり飛び降りたりすることが多く、転倒や衝突、遊具からの転落が起こりやすいです。

また、友だちとのけんかによる噛みつきや引っ掻きによる負傷も見られます。これらの危険を防ぐためには、子どもの危険を感じたときに慌てず、冷静に諭すことが大切です。

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保育園のヒヤリハット対策は6つ

保育園のヒヤリハット対策は6つ

ここでは、保育園で行うことができるヒヤリハット対策を紹介します。主に次の6つです。

  1. 保育士同士で情報共有する
  2. 子どもの目線で確認する
  3. 過去の事例を把握しておく
  4. 緊急時の対応をマニュアル化する
  5. 子どもたちへの注意喚起を徹底する
  6. 保護者とも共有し連携する

項目ごとに詳しく見ていきましょう。

1.保育士同士で情報共有する

保育士同士で情報を共有することは、施設内外の危険個所や子どもたちの状況を把握し、安全を確保する上で不可欠です。ヒヤリハットが発生した際は、すぐに園内で報告し、共有しましょう。

その際、報告した保育士を叱責するのではなく、安心して意見交換やアドバイスができる環境を整えることが大切です。そして、正規職員だけでなく、パートや非正規職員にも行き渡るように、注意箇所や改善点は記録として残しておくべきです。

話し合いやすい雰囲気を作り、情報共有を促進することで、保育の質を高め、子どもたちの安全を守ることができます。

2.子どもの目線で確認する

子どもの目線で危険を確認することは、ヒヤリハット対策において重要です。

子どもたちの身長にあわせて遊具や室内環境をチェックしましょう。大人と違い、子どもたちは異なる視界を持ち、見落としがちな危険に気付くことがあります。

さらに、心理的な観点からも子どもの視線に立ち、「子どもはこんな行動を取るかもしれない」といった予想行動パターンから、安全対策を考えることも効果的です。

3.過去の事例を把握しておく

園内外で起きたヒヤリハット事例は、報告書に記録し、常に確認できる状態にしておきましょう。これにより、過去の事例から起こり得る危険を予測し、事前に対策を打つことが可能になります。

ヒヤリハットは大きな事故を未然に防ぐための重要な情報源のため、積極的に事例を確認し、学びに活かすべきです。

4.緊急時の対応をマニュアル化する

内閣府が提供する「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」には、役割分担や119番通報のポイント、医療機関への連絡方法など、緊急時の対応に関する重要な情報がまとめられています。

これらの資料を基に、施設の実情に合わせた緊急時対応マニュアルを作成し、職員全員が内容を把握することが大切です。定期的な研修や訓練を行い、万が一の事態に備えておくことで、事故発生時にもスムーズに行動できるようになります。

出典:「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」

5.子どもたちへの注意喚起を徹底する

子どもたちが遊びに夢中になるほど、ケガや事故が発生するリスクは高まります。そのため、子どもたち自身にも注意喚起を徹底することが重要です。

たとえば、公園に行く前に「知らない人についていかない」「友だちを押さない」「順番を守る」といった基本的な約束事を定期的に確認しましょう。これらの約束を子どもたちがお互いに思い出し、注意し合えるような環境を作ることも大切です。

また、約束事をわかりやすく伝えるために、クイズ形式での教育や紙芝居を使用するなど、工夫するとより効果的です。

6.保護者とも共有し連携する

保育園でのヒヤリハットは、園内だけでなく家庭でも起こり得るため、保育士と保護者との間で子どもの情報を共有し、連携することが大切です。子どもの行動特性や発達過程についての知識を、保護者に伝えることは、家庭における事故予防や子育て支援にも繋がります。

また、家庭で起きたヒヤリハットな出来事や子どものクセ、好きな遊びなどを園と共有することで、より精確な危険予測が可能になり、子どもの安全を守るうえでも役立ちます。

施設内の会議だけでなく、日常的に保護者と情報を共有し、子どもの成長を共に喜びながら、その行動に関する予測や不安な点についてもオープンに話し合うことが大切です。これにより、子どもの異変に早期に気づき、適切な対応を取ることができます。

保育園のヒヤリハットでよくある3つの質問

保育園のヒヤリハットでよくある3つの質問

さいごに、保育園のヒヤリハットでよくある質問にお答えします。

  • 質問1.ハインリッヒの法則とは?
  • 質問2.子どもが言うことを聞かない場合の対処法は?
  • 質問3.保育園の見学はいつから行くべき?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

質問1.ハインリッヒの法則とは?

ハインリッヒの法則は、アメリカの損保会社員ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒによって提唱された安全管理の原理です。この法則によると、1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故と300件のヒヤリハットが存在し、これを「ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)」と称しています。

ヒヤリハットは重大な事故への警鐘として機能し、これらを見逃さず適切に分析・改善することで、重大事故の発生を防ぐことが可能です。この法則は、重大事故が必ず301回目に起こるという意味ではなく、小さなヒヤリハットから学び、改善することの重要性を示しています。

保育園などの施設では、ヒヤリハットの報告・共有・改善プロセスが特に重要であり、同じようなヒヤリハットを繰り返さないようにすることで、より安全な環境を確保できるのです。

質問2.子どもが言うことを聞かない場合の対処法は?

子どもが言うことを聞かない場合の対処法には、以下のようなものが挙げられます。

  • 親が約束を守る
  • 子どもの気持ちに寄り添う
  • 子どもの意見に耳を傾ける
  • 脅すような言葉は使わない
  • 代替案を考えてみる
  • ダメな理由を添えて伝える
  • 一貫性のある言動を心がける

また、子どもが言うことを聞かない場合の理由や正しい対処法については以下の記事で解説しています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。

関連記事:子どもが言うことを聞かない理由を年齢別に解説!正しい対処法も紹介します – コカラ

質問3.保育園の見学はいつから行くべき?

「保育園の見学は時期が決まっているの?」と思っているパパ・ママも多いかもしれません。保育園の見学は年間を通じて可能な場合が多いです。

そのため、入園を希望するタイミングで各保育園へ問い合わせるとよいでしょう。一般的な入園時期とされる4月に入園を希望する場合、申し込み期限は前年度の11月頃と決められていることが多いため、10月末までに見学を済ませておくと安心です。

なお、次のページでは、保育園の見学へ行く時期から、申し込みの流れをわかりやすく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:【2023年最新】保育園の見学はいつから行くべき?依頼するまでの流れもわかりやすく解説 – コカラ

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まとめ

まとめ

保育施設は、ヒヤリハットが起こりやすい環境です。しかし、子どもたちの行動を常に先回りして予測し、すべての事故を未然に防ぐことは容易ではありません。

重要なのは、大きな事故に発展しないよう、ヒヤリハットによる気付きで適切な対策を立てることです。保育士同士で情報を共有し、風通しの良い職場環境を作りましょう。これにより、お互いの経験から学び、子どもたちの安全を見守る「目」を養うことができます。

また、園内だけでなく、保護者との連携も大切です。保護者と情報を共有することで、家庭での事故予防にもつながります。このような取り組みを通じて、子どもたちの安全を守るための対策を強化しましょう。

なお、次のページでは、保育園でお昼寝をする目的やメリット、家庭でも使える寝かしつけのテクニックを解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

関連記事:保育園のお昼寝時間は?お昼寝のメリットや家庭でも使える寝かしつけテクニックをご紹介

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