引越しなど予期せぬ事態により、保育園を転園しなければならない家庭は少なくありません。すこしでもスムーズに手続きを進めるには、どのようなタイミングが最適でしょうか。
この記事では、保育園の転園しやすい時期や手続き、注意点を詳しく解説します。保育園の転園に関する悩みをもつ人は、ぜひ参考にしてみてください。
保育園を転園するタイミングは?
保育園の転園を考える際、重要なのは引越し先の保育園の空き状況と、転園希望者に適用される選考基準です。特に、競争が激しい地域や人気の高い保育園では、転園がより困難になりがちです。
この選考過程では、家庭の事情や保育の必要性を点数化し、優先順位を定めます。ただし、引越しを伴う転園希望の場合、住民票の移動に関連する制度が適用され、転入者は選考プロセスにおいて不利になる可能性があるのです。
「管外協議」制度を持つ自治体では、転入確定前の申請は別枠で扱われ、通常の選考プロセスより優先度が低くなることも考えられます。一方で、自治体によっては転入の確実性が認められれば、地元住民と同等の扱いを受けることも可能です。
従って、転園を検討する場合は、はやめに情報を集めて準備を進めることが、スムーズな転園のコツです。
転園・途中入園しやすい時期
転園・途中入園しやすい時期は、「4月」「5月」「8月」「3月」が挙げられます。それぞれの具体的な理由をみていきましょう。
4月
新学期である4月は担任の先生が新しいクラスの運営方針を探り、子どもたちとの関係構築に力を入れる重要な時期です。先生は子どもたちと積極的に交流し、信頼関係の基盤を築くことに専念します。
4月に保育園への途中入園を果たせば、先生も子どもたちも新たなスタートを切る「1年生」の段階にあるため、新入園児が園生活になじみやすい環境が整っています。さらに、年間行事の準備が本格化する前であるため、新しい子どもへの配慮とサポートにも余裕があり、スムーズな保育園生活への適応を期待できます。
5月
5月は新年度のスタートから1ヶ月経過し、保育園の日常が落ち着きを見せ始める時期です。また、大きな行事の準備が本格化する前なので、新しく入園する子どもがクラスに溶け込むのに適しています。
加えて、5月は気候も穏やかで、屋外活動が盛んになる時期です。園外散策や自然との触れ合いが増えることで、子どもたちはより開放的でリラックスした状態で過ごせます。
このような環境は、途中入園の子どもが新しい仲間と自然に交流し、早期に園生活に慣れ親しむのに理想的な条件を提供します。
8月
運動会の準備が心配される時期ではあるものの、8月は暑さがピークに達し、プール遊びや室内での遊びが多くなります。また、この時期はお盆休みにより登園する子どもの数が減少し、園側が新たに入園する子どもに丁寧なサポートを提供しやすい環境です。
このような背景から、8月は途中入園や転園を考える家庭にとって、子どもが新しい環境に馴染みやすく、先生方も個々のニーズに応じたサポートをしやすい、比較的理想的な時期と言えるでしょう。
3月
3月は年度末を迎え、保育園での大きな行事が一段落し、次年度への準備期間に入るときです。この時期、先生は比較的時間の余裕を持てるため、新しく入園する子どもの受け入れがしやすいでしょう。
しかし、新年度に向けて、在園児との差を埋めるためのサポートが必要になるかもしれません。新入園児は、身の回りのことをスムーズにこなせるよう、特別な配慮と支援が受けられると安心です。
保育園を転園する際の手続き
続いて、保育園を転園する際の手続きを紹介します。
- 退園届を提出する
- 転園届を提出する
項目ごとに詳しくみていきましょう。
退園届を提出する
保育園を転園する場合、退園手続きが必要です。退園を希望する月の終わりまでに退園届を提出するのが一般的な流れです。
退園届は、まず保育園で受理してもらい、その後、該当する自治体の担当窓口へ提出します。自治体によって締切日や必要書類が異なる場合があるため、事前に確認することが重要です。
また、転居などの特別な理由がない場合、同じ自治体内で認可保育園から認可保育園への転園を原則認めないという自治体も多くあります。事前に自治体の担当窓口に確認をしておくとよいでしょう。
手続きをスムーズに進めるためにも、はやめの行動を心がけましょう。
転園届を提出する
退園手続き完了後は、転園先の保育園に向けて転園届を提出します。転園申込書や保育必要性証明書、保護者の就労証明書など、さまざまな書類の準備が求められます。
転園届提出にあたり、必要書類は入園申込時とほぼ同様ですが、間違いの無いように準備しましょう。すべての書類を丁寧に確認し、期限までに提出することが重要です。
保育園を転園する際の注意点は3つ
ここでは、保育園を転園する際の注意点を紹介します。主に次の3つです。
- 転園先の保育園を事前に見学する
- 転園による子どもへの影響を考慮する
- 退園する保育園にあいさつする
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.転園先の保育園を事前に見学する
保育園選びは、各園の保育理念や雰囲気が重要な選定基準になります。
パンフレットやホームページの情報だけでは把握しづらい、園長や保育士の人柄や保育の質に対する不安・疑問は、直接見学することで明らかになります。また、転園を検討している保育園を事前に訪れることは、トラブルを未然に防ぐ効果もあります。
遠方に転園の場合、現地見学が難しいときは、オンラインでの情報収集も手段のひとつです。保護者のレビューや評価を参考にしつつ、公式情報と照らし合わせて総合的に園の特色を把握することが大切です。
2.転園による子どもへの影響を考慮する
転居に伴う環境の変化は、子どもの心理に深い影響を及ぼす可能性があります。
新しい保育園や生活スタイルに適応するまで、子どもの様子を観察し寄り添いましょう。特に、転園初日や慣れない期間は、子どもの不安やストレスが顕著に表れやすいため、そのサインに注意を払い、サポートする必要があります。
転園を子どもに伝える際は、前向きな言葉遣いで新しい環境の楽しみを伝えることが大切です。たとえば、「新しい友達が増えるね」「こんな遊具で遊べるよ」といった形で伝えることで、子どもの期待感を高めることができます。
また、保育園の先生に相談し、転園に関するアドバイスを求めるのもおすすめです。
3.退園する保育園にあいさつする
退園の理由がどのようなものであれ、保育園を去る際は、関わってくれたすべての人へ感謝の気持ちを表すことが大切です。
園長やお世話になった保育士への挨拶を予め予定し、その旨を事前に園に伝えておくとよいでしょう。時間を取らないよう、挨拶はなるべく手短に済ませるのがポイントです。
また、仲良くしていた保護者には、タイミングをみて個別に転園することを伝えておくとよいかもしれません。
保育園を転園するタイミングでよくある3つの質問
最後に、保育園を転園するタイミングでよくある質問にお答えします。
- 質問1.引越し先で認可保育園に入れない場合はどうする?
- 質問2.保育園に退園をいつ伝える?
- 質問3.引越し後も今の保育園に通える?
それぞれ詳しくみていきましょう。
質問1.引越し先で認可保育園に入れない場合はどうする?
引越し先で希望する認可保育園に入園できなかった場合、次の方法を検討しましょう。
- 認可外保育園を利用する
- 3歳以上の子どもであれば幼稚園を選ぶ
- ベビーシッターを活用する
これらの選択肢を検討することで、認可保育園に入園できない状況でも、子育てと仕事の両立が可能になります。
なお、次のページでは、認可外保育園のうち企業主導型保育園についてのご紹介と、岡山で利用できるベビーシッターサービスを紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
関連記事:【パパママ向け】企業主導型保育園とは?ほかの保育園との違いやメリット、デメリットをわかりやすく解説! – コカラ
関連記事:【2023年最新版】岡山で利用できるベビーシッターサービス5選|選び方やよくある質問もご紹介! – コカラ
質問2.保育園に退園をいつ伝える?
退園の意向は、市役所などから退園先の保育園に連絡が入ります。しかし、市役所から連絡が入る前に直接退園する旨を伝えるのがおすすめです。
転園先が決定した後に伝えるとよいでしょう。報告は口頭や連絡帳にて担任に伝えることもできますが、園長や管理職の人へ直接伝えるのが望ましいです。
質問3.引越し後も今の保育園に通える?
自治体によって、引越し後も今の保育園に通い続けることが可能です。まずは転居先の自治体に確認しましょう。
通園の継続が認められた場合でも、引越し先の自治体で適切な手続きが必要です。住民登録をする自治体の支援課児童福祉係に申し出ましょう。
まとめ
保育園を転園するタイミングは、引越し先の保育園の空き状況や、年間スケジュールを考慮しながらはやめに準備を進めましょう。また、転園の手続きには提出期限もあるため、忘れない様に計画性をもつことが大切です。
やることが多くバタバタしがちですが、転園することに対し子どもの不安やとまどいを見逃さない配慮も忘れてはいけません。前向きに、新しい環境をサポートしましょう。
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