子育て中のママは、子どもの年齢に応じて、転職のタイミングを検討する必要があります。この記事では、子育て中の女性が転職するメリットやタイミング・注意点について解説します。
子育て中の女性が転職しやすいタイミング
子育て中の女性が転職を検討するにあたっての注意点を、子どもの年齢ごとに分けて解説します。
- 0〜3歳
- 4〜5歳
- 6〜7歳
それぞれの詳しい内容をみていきましょう。
1.0〜3歳
0-3歳は子どもから目を離せない時期で、転職するにはハードルが高い時期といえます。転職活動は子どもが寝てる合間に行ったりと、時間捻出が難しいでしょう。
また0-3歳は体調を崩しやすい年齢でもあるため、企業に応募して面接にたどり着いたとしても、予定変更を余儀なくされる場合もあります。
実際に転職に成功したとしても、有給付与前に休まなければならない事態が発生しうる点も考えられます。事前に家族へ相談したり、シッターサービスの利用を検討したりと、あらかじめ不測の事態を想定し準備をしておく必要があります。
すでに子どもを保育所に預けている場合、勤務先が変わると証明書の再提出が必要です。保育所を預ける基準や手続きの時期などを見越してスケジュールを組む必要があるでしょう。
2.4〜5歳
4〜5歳になると子どもの免疫力も高まり体調が安定しやすく、生活リズムも身についている場合が多いです。そのため、子育てに余裕を持ちやすく、転職のタイミングにも適した時期といえるでしょう。
転職先を探す際はキャリアの描き方や仕事と家庭の両立などを踏まえ、中長期的な視野を持つことが大切です。保育園に子どもを預けている人は、転職に伴う手続きをあらかじめ調べておくと安心です。
3.6〜7歳
小学校に入学するとある程度子どもが自分のことができるようになるため、転職しやすいタイミングのように見えます。
しかし子どもが小学校へ入学すると、生活スタイルが大きく変わってきます。保育所よりも遅い登校時間や夏休みなどの長期休暇など、生活スタイルの変化は、慣れないうちは親子ともにストレスになります。また毎日の習慣では、宿題や忘れ物のチェックなどの負担が大きくなるでしょう。
さらに企業によっては時短勤務制度は、子どもが小学校入学前までしか適用されていない場合も多く、事前に確認が必要です。
もし仮に転職活動を行うにしても、3月〜5月は避けた方がよいでしょう。入学や新学期直後となる4月は、子どもが新生活に慣れるまでのフォローが欠かせないためです。
子育て中の女性が正社員として転職するメリットとデメリット
現在、正社員である子育て中の女性が転職を検討する際、家庭との両立の難しさから働き方を見つめ直す人が多いものです。
正社員として転職するメリットは豊富にある一方、会社に縛られるデメリットも存在します。
メリット
- 安定した収入が得られる将来必要となる教育費を計画的に準備しやすい
- 家事・育児の分担がしやすい
- キャリアを中断しない
- 自己の存在意義を見出しやすい
- 責任ある仕事を任せられる
- 福利厚生を受けられる
デメリット
- 転勤や異動を避けられない・基本的にフルタイムで働く必要がある
- 残業・休日出勤がある場合も
- 役職や年次に応じた責任を背負う
子育て中の女性が転職先選びで注意すべき4つのポイント
子育て中の女性が転職先選びで注意すべきポイントは、以下の4つが挙げられます。
- 職場と自宅との距離
- 職場の制度や風土
- 女性の活躍状況
- キャリアアップへの支援
事前に転職先の情報を確認し、後悔のないように検討を重ねましょう。
1.職場と自宅との距離
転職先を選ぶ際、職場と自宅の距離は必ずチェックしておきましょう。通勤時間の節約だけでなく、保育園から迎えにくるように連絡があったときの対応しやすさが大きく異なります。
また職場までの距離と併せて、利用路線などもチェックしておきたいポイントです。自宅から保育所、職場へとスムーズにいける勤務先だと効率的な毎日を過ごせるでしょう。しかし違う方向へ子どもを送ってから、職場へ向かう必要がある場合、お金も時間も余分にかかり負担が大きくなります。
2.職場の制度や風土
時短勤務や時差勤務、フレックス制度など柔軟な労働時間に対応しているかを確認しましょう。
会社に制度があっても、所属部署が対象外であったり、利用実績がなかったりする点に注意が必要です。事前に働いている人の声や制度利用の実績があるかを調べておきましょう。
また勤務条件ばかりに気を取られて転職先を探すと、家庭との両立が難しくなりやすいものです。求める条件や希望を整理して、譲れない条件だけに絞って転職先を探しましょう。
3.女性の活躍状況
すでに女性が多く活躍している会社も狙い目です。出産や育児を経験している先輩が多い場所では、相談をしやすく、子どもを持っている社員への共感や理解も得られます。
実際に子どもを持ちながら働く社員の存在や、ママに向けた制度が稼働しているかどうかは、働く際の雰囲気や制度、休みやすさなどを知るための重要なチェック項目となります。同世代の子どもを持つ社員からも情報収集し、より良い職場選びを検討しましょう。
4.キャリアアップへの支援
自分のキャリアを最大限に発揮できる環境であるかも判断ポイントのひとつです。これまで培ってきたスキルや知識を十分に活かせる会社であれば、新しい職場にも迅速に適応できるでしょう。
女性のキャリアを前向きにサポートし、出産や育児後のキャリア再開に対する配慮が行き届いている企業も増えています。仕事のブランクがある状況でも前向きに受け入れてくれる企業は、社会復帰をスムーズにする強い味方です。
子育て中における転職の面接で準備すべき3つの内容
子育て中における転職の面接で準備すべき内容は、以下の3つです。
- 子どもに関する質問への回答
- 勤務時間の制限
- 明確な志望理由
いずれの質問も面接では必ず聞かれる内容です。事前にしっかりと準備しておくことで、企業に条件を伝えるとともに、自己アピールできます。
1.子どもに関する質問への回答
小さな子どもがいる場合、よく聞かれるのは「子どもが熱を出した場合についての対応」に関する質問です。この質問には両親に頼む体制を相談していることや、パートナーと話し合って決めている対応策など具体的なフローを伝えると好印象です。
子どもに何かあれば休む必要がありますが、対応策をあらかじめ考え、仕事と向き合っていくかを伝えられるように準備しましょう。
2.勤務時間の制限
勤務時間に制限がある場合、履歴書に子どもがいることと勤務時間の希望を記載しましょう。制限がある中でどんな工夫を行うかを面接で伝えることをおすすめします。
ただし強く主張しすぎてしまうと、企業として採用するメリットを感じにくくなるため注意しましょう。
また、残業の可否もよく質問される事項です。もし残業が難しい場合でも、毎日の仕事を効率的に進めるといったパフォーマンスの面から貢献することをアピールしてみてください。
3.明確な志望理由
子育て中に限らず、転職面接で志望理由は必ず質問されます。企業や職種の下調べを丁寧に行い、明確に答えられるように準備しておきましょう。
自己アピールに加え、企業に提供できるメリットについても忘れずに考えておきたいポイントです。将来のビジョンを描き、自身がどんなキャリアを望んでいるのかをイメージして備えておきましょう。
子育て中の転職でよくある3つの質問
子育て中の転職でよくある質問は次の3つです。
- 質問①転職活動をするママが抱えやすい不安とは?
- 質問②転職は子どもが小さくても可能?
- 質問③小さな子どもがいると転職の足かせになるって本当?
それぞれ詳しくみていきましょう。
質問①転職活動をするママが抱えやすい不安とは?
子育て中のママが転職活動をする際、多くの不安を抱えやすい傾向にあります。たとえば、以下のような問題が挙げられるでしょう。
子育てとの両立が難しい職場環境
求人情報は数多く存在するものの、「育児との両立可」や「ママ歓迎」のような文言が少ないため、子育て中のママが仕事に挑戦しやすい環境かどうかを判断することが難しい場合があります。加えて、緊急時の対応や希望の勤務時間に合わせた仕事を探すと、選択肢はさらに限られます。
企業の子育てへの理解の欠如
条件に適った企業に応募しても、子育ての状況や希望する勤務時間についての理解が不足していることは少なくありません。企業により、子育て中のママをサポートする体制を万全には整えていない現状があります。
また、家庭の事情を優先することが志望動機の低下と捉えられ、企業側の期待する人材像とのミスマッチが生じるケースも考えられるでしょう。
子ども関連の予期せぬ問題
たとえば、面接の日に子どもが体調を崩す、無職の状態では保育所の利用が難しいといった、子ども特有の課題もママの転職活動を困難にしています。
質問②転職は子どもが小さくても可能?
子育て中のママたちには多くの課題がありますが、子どもが小さいタイミングで転職しておくのもひとつのメリットです。年齢を重ねるほど、転職活動がより困難となるケースもあるため、若いうちからワーキングマザーへの理解がある企業に転職しておくと、将来の安心に繋がるでしょう。
また、子どもの成長とともに、より家計への負担は増加します。資金面の不安は、家族全体に影響を及ぼす可能性があるため、早期の転職活動でキャリアを安定させ、安心して家族の成長を見守る環境を築くこともおすすめです。
質問③小さな子どもがいると転職の足かせになるって本当?
従来、小さな子どもを持つ女性が転職を検討する際、子どもの病気による休暇や残業ができないなどの理由により、転職市場ではマイナスイメージが先行してしまうことがありました。しかし、この数年で変化があり、子育て中の女性を積極的に採用する企業が増えてきています。
女性専用の転職サイト「女の転職type」を運営する株式会社キャリアデザインセンターは、転職市場での女性の役割が大きく変わってきたことを明かし、一部の業界や職種に限られていた「ワーキングママ歓迎」の動きが、現在は多岐にわたって見られるようになっている調査結果を公表しています。
また、2019年にスタートした「QOOLキャリア」というサービスでは、子育て中の女性が活躍できる企業を中心に、転職を希望する女性とのマッチングをサポートしています。
したがって、子どもを持つ女性の転職活動の壁は以前よりも低くなっており、新たなキャリアを築いていく女性が増えてきています。
参考:QOOLキャリア
まとめ
子育て中でも転職するのに最適なタイミングや注意点、メリットなどについて解説しました。子どもが小さいうちは転職活動を行うのが難しい場合も多いですが、事前に周囲へ相談したり、下調べを行ったりすることで道が開くかもしれません。
育て中の転職先探しは、勤務制度などの条件面に目が行きがちですが、家庭との両立や今後のキャリアビジョンを押さえて納得のいく転職活動を行いましょう。
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