ワンオペ育児は、近年悩んでいる人が多い大きな問題の一つです。本記事では、ワンオペ育児に陥りやすい状況や、つらさを乗り越えるための7つの方法をご紹介します。子育てにつらさを感じているママ・パパはぜひチェックしてみてください。
ワンオペ育児とは?
ワンオペ育児とは、「ワンオペレーション」と「育児」を組み合わせた用語です。「ワンオペレーション=ワンオペ」は1人で全ての仕事をこなすことであり、深夜帯のコンビニや飲食店といったシフト勤務などで使われます。
このワンオペに「育児」を組み合わせ、妻もしくは夫のどちらかに育児の過度な負担が強いられる状態を表した言葉が「ワンオペ育児」です。ワンオペ育児の明確な定義はありませんが、パートナーのいずれかが育児に強い負担感を感じている状況を指します。
ワンオペ育児を担うのはママが圧倒的に多い
ワンオペ育児を担うのはママが圧倒的に多くなっています。その証拠に「2016年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもがいる家庭の育児時間は以下の通りです。
- 夫:1時間23分
- 妻:7時間34分
過去の調査では男性の育児時間は1日あたり約40分でした。しかし、かつての2倍の時間になったとはいえ、依然として圧倒的にママの負担が高い状況に変わりはありません。
ワンオペ育児がママやパパに及ぼす影響
ワンオペ育児がママやパパに及ぼす影響として大きいものは、精神的・体力的に追い込まれてしまうことです。
小さな子どもは親の思い通りに動いてはくれないので、親は絶えずその様子を見守り、世話をしながら家事に取り組まなければなりません。そのような絶え間ない緊張と疲労が積み重なることで、親は徐々に精神的・体力的に追い込まれていきます。
初期は「イライラする」や「疲労感が強い」といった症状として表れますが、。その状態をそのまま放っておくと、次第に産後うつや育児ノイローゼを患ってしまうことが多いようです。
なお、子育てでイライラが抑えられない人には、それぞれ傾向があります。次のページでは、爆発しないための対処法も紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
関連記事:子育てでイライラが抑えられない人のタイプとは?爆発しないための対処法も理解しよう
ワンオペ育児となりやすい4つの状況
ワンオペ育児となりやすい状況には、以下の4つの状況が挙げられます。
- パートナーが単身赴任をしている
- 近くに頼れる人がいない
- パートナーの帰りが遅い
- シングル家族である
いずれもパートナーのどちらかが仕事で家を空けている・パートナーがいないことが原因です。それぞれについて解説します。
1.パートナーが単身赴任をしている
パートナーが単身赴任をしている家庭では、必然的にワンオペ育児を強いられてしまいます。
さらに単身赴任をしなければならないような離れた土地での勤務だと、週末といえども気軽に自宅に帰れないことも多くなりがちです。パートナーが自分の家にいられるのは長期休暇に限られるといった状況では、どうしてもワンオペ育児のつらさが高まってしまうでしょう。
赴任先へ家族みんなで一緒についていければ、このような状態も緩和されるかもしれませんが、家庭の事情により、そういったことが難しい場合もよくあることです。
2.近くに頼れる人がいない
自分やパートナーの両親、兄弟と離れて暮らしていると、気軽に頼れる人の存在が皆無であるということが多いでしょう。
最近はこのような核家族が増えており、さらにパートナーが子育てに協力的でないような状況が重なると、ワンオペ育児化にさらに拍車をかけてしまいがちです。
その結果、子どもの急病への対応や、保育園への送り迎えの負担なども一人で背負うことになり、育児のつらさが蓄積してしまいがちです。
3.パートナーの帰りが遅い
たとえパートナーが自宅にいたとしても、仕事へ出かけるのは早朝、帰ってくるのは子どもが寝静まってからというような家庭でもワンオペ育児が強いられがちです。たとえ、専業主婦・主夫だとしても家事や育児には休みがありません。
パパ・ママのどちらかが仕事に忙殺されるような状況だとなかなか育児への協力をお願いしにくく、ワンオペ育児となってしまいやすいといえるでしょう。
4.シングル家族である
シングル家族の場合、仕事・家事・育児をすべて1人でこなさなければならず、強制的にワンオペ育児となってしまいます。また、自身が病気や怪我になった場合に頼れる人がいないことや、経済的な負担感など、シングル家庭独自の悩みもあるでしょう。
なお、子育ての悩みを電話で相談できる窓口は、自治体や企業が運営するものなど、悩みの内容に応じてさまざまな窓口があります。次のページでは電話相談のメリットや注意点、おすすめの相談窓口を紹介しています。
関連記事:子育ての悩みを電話で相談できる窓口5選!メリットや注意点もあわせて紹介
ワンオペ育児のつらさを乗り越える7つの方法
ここではワンオペ育児のつらさを乗り越える7つの方法を見ていきましょう。
- 1日のタイムスケジュールを見直す
- パートナーに協力を仰ぐ
- 完璧な子育てを目指さない
- 自分を褒めてあげる
- 積極的に交流の場に参加してみる
- 家族や友人に話を聞いてもらう
- 一時保育やファミリーサポートを活用する
1人でできることには限りがあります。周囲の人や行政のサポートなどを利用しながら子育てと向き合っていくと負担感を減らせるかもしれません。
1.1日のタイムスケジュールを見直す
まずは、1日のタイムスケジュールを見直してみましょう。
- どのような家事・育児のタスクをしているか
- タスクをいつやっているのか
- 仕事をしている時間はどれくらいか
紙などに1日起きてからの流れを書き出すことで「見える化」をします。そうすると、特に忙しい時間帯やどのような助けがあれば楽になるのかを明確にできるでしょう。
問題点を明確にすることで、そこから必要なサポート(時短家電やシッター・ハウスキーパーの利用)を具体的に検討できるようになります。
2.パートナーに協力を仰ぐ
ワンオペ育児の大きな原因は、お互いの子育てに対する価値観や向き合い方の不一致であることが多いようです。
また「こんなことは言わなくてもわかってくれるだろう」と言葉にしないまま、どちらかが一方的に負担感を我慢していることもよくあります。
こんなときは、自分の思いを感情的に相手にぶつけるのではなく、どのようなことをしてもらえると助かるか、家事や育児のタスクを具体的に書き出してパートナーに協力を仰ぐようにするとよいでしょう。併せて、助けてもらったときは感謝の気持ちを言葉にして相手に伝えると効果的です。
3.完璧な子育てを目指さない
几帳面な性格の人に多いのが、完璧な子育てを目指してしまうことです。しかし、家事や育児に関しては「完璧がない仕事」といえるでしょう。完璧を目指すばかりにイライラしてしまうと子どもは不安を感じてしまいます。
「少しくらい手抜きをしてもいいや」くらいの和やかな気持ちでいる方が、子どもにとっても幸せを感じられるのではないでしょうか。
4.自分を褒めてあげる
ワンオペ育児をしていると、大人と会話らしい会話がほとんどできない状況になってしまうこともよくあります。そんななかでも、できる限りの家事・育児をしている自分を認めてあげましょう。
さらに、子どもが怪我することなく笑顔で過ごせたのなら、1日の終わりに「よく頑張った」と自分を褒めてあげてください。自分へのご褒美として、好きなお菓子や飲み物をこっそりと楽しむのもよいでしょう。
5.積極的に交流の場に参加してみる
育児の悩みや不安は、人に打ち明けるだけでも軽くなることがあります。ママ友との会話や子育て支援センターが実施している集まりなど、交流の場に参加してみるとよいでしょう。
外に出かけるのが辛い場合、SNSを活用してみるのもおすすめです。自分が投稿するだけでなく、同じ境遇の人の投稿を見るだけでも「自分だけが悩んでいるわけではない」と前向きな気持ちになれるかもしれません。
6.家族や友人に話を聞いてもらう
ママ友や地域支援以外にも、近くで気軽に話せる家族や友人に話を聞いてもらうのもよいでしょう。特に愚痴を聞いてくれるような関係性の人がいると、心強い存在となります。
こちらの場合も、外に出かけるのが辛ければオンラインミーティングツールを利用してみるのがよいでしょう。画面越しとはなりますが、顔を合わせながら話を聞いてもらうだけでも気持ちが軽くなります。
7.一時保育やファミリーサポートを活用する
子どもを預けられる実家が近くにないような場合、一時保育やファミリーサポートを活用してみましょう。自治体には一時保育を利用できる仕組みが整備されています。
これらの情報は子育て支援センターや役所、地域の広報誌で公表されていますので、チェックしてみましょう。日常的に利用しなくても、預けられる場所があるということを知っているだけで、負担感も和らぐでしょう。
まとめ
今回は、ワンオペ育児になりやすい状況から、つらさを乗り越える方法まで解説しました。育児は、周囲のサポートがなければ乗り越えにくい人生の大きな仕事です。パートナーや両親、友人などに積極的にサポートをお願いしてみましょう。
周囲に頼れる人がいない状況であれば、子育て支援センターが提供する場へ参加したり、一時保育を利用したりと、1人で育児を抱え込む状況を可能な限りなくしてみるように心掛けてみてください。
子育てはちょっとしたコツを知っておくと、苦労を減らせたり、より楽しめやすくなったりします。次のページでは、子育てを楽しむためのコツと子供を叱るときに知っておきたいポイントを解説しています。
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