保育園と保育所の違いとは?保育施設の主な種類や選ぶ際のポイントを詳しく紹介します!

子育て

保育園と保育所はどちらもよく見かける言葉ですが、これらは同じ施設を指しています。しかし、自治体や地域などで呼び方が異なる場合があるため、これらの違いを正しく理解しておきましょう。

本記事では、保育園と保育所の違いや保育施設の主な種類、選ぶ際のポイントをご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

編集部バナー

CTA

保育園と保育所の違いとは?

保育園と保育所の違いとは?

「保育所」と「保育園」という言葉を耳にしますが、本質的には同じ施設を指しています。児童福祉法では「保育所」が正式な名称で、0歳から小学校就学前までの子どもが通う通所施設として定められています。

一般的には「保育園」と呼ばれる場合が多いですが、これは正式名称ではありません。しかし、施設名に関しては「保育所」とする規定はなく、自由に「〇〇保育園」と名付けられます。

また、保育所には公立と私立があり、どちらも認可保育所であれば自治体の管理下で運営され、保育の内容や料金に差はありません。

CTA

保育施設の主な種類は5つ

保育施設の主な種類は5つ

次は、保育施設の主な種類について解説します。

  • 認可保育園
  • 認可外保育園
  • 認証保育園
  • 小規模保育園
  • 認定こども園

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.認可保育園

認可保育園とは、保育士の人数や施設の広さ、設備などが国の定めた基準を満たし、自治体の認可を受けた保育所です。0歳から就学前までの子どもを預けられ、定員は施設によって異なりますが、園児と保育士の在籍人数は比較的多い傾向です。

また、入園の優先順位は自治体の示す保育指数にもとづいて決定され、保育料は家庭の収入によって異なります。また、認可保育園には、公立と私立があり、それぞれ自治体や学校法人、社会福祉法人、民間企業によって運営されているのが特徴です。

なお、認可保育園については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:認可保育園とは?保育料を決める要素やメリット、デメリットを紹介!

2.認可外保育園

「認可外保育所」とは、厚生労働省の児童福祉施設最低基準を満たしていない保育施設です。託児所やベビーホテルも含まれており、夜間保育など多様なニーズに対応しています。

運営にあたっては、自由に運営できるわけではなく、厚生労働省の「認可外保育施設指導監督基準」に従わなければなりません。保育料はそれぞれの施設が独自に設定しています。

関連記事:認可外保育園とは?認可保育園との違いやメリット、デメリットを徹底解説

3.認証保育園

認証保育園は、それぞれの都道府県が設定する特定の基準を満たした保育施設で、3歳未満の待機児童が多い都市部に集中して設置されています。このような施設は、東京都では「認証保育園」、横浜市では「横浜保育室」と呼ばれるなど、地域によって名称が異なります。

つまり、認可外保育園でありながら、自治体によって認められた施設が認証保育園です。広さなどの理由で認可を受けるのが難しい場合でも、独自の基準をクリアすれば認証を取得できます。

4.小規模保育園

小規模保育園とは、6名~19名までの乳幼児を対象とした認可保育施設です。これらの施設では、きめ細やかなケアが可能であり、保育士の存在を常に感じながら安心して過ごせる環境が整っています。

以前は、2歳までの乳児を対象としていましたが、現在ではニーズに応じて年齢の上限が引き上げられており、3歳以上の子どもを受け入れる園も増えています。しかし、それぞれの施設の受け入れ対象年齢は異なるため、詳細を確認することが大切です。

5.認定こども園

認定こども園は、0歳児から就学前の子どもを預けられ、教育と保育を一体化した施設です。幼稚園や保育園の機能を併せ持ち、両方の役割を果たしています。

認定こども園は、内閣府の子ども・子育て本部の管轄で、一定の基準を満たした施設のみが認定されます。保護者は、利用状況に応じて幼稚園枠の1号認定の場合、施設への申し込みが可能です。

さらに、保育園枠の2号、3号認定は自治体への申請が必要ですが、退職後も同じ施設に通えるのがメリットです。

関連記事:認定こども園と保育園の違いは?預けられる基準や選び方のポイントについて解説します

CTA

保育所を選ぶ際のポイントは5つ

保育所を選ぶ際のポイントは5つ

次は、保育所を選ぶ際のポイントについて解説します。

  • 場所
  • 保育時間
  • 受け入れ年齢
  • 保育方針
  • 料金

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.場所

毎日の送迎を考えると、保育園と自宅の距離が短いほど、負担は軽減されます。保育園に持っていかなければならない荷物も多いため、天候の悪い日には通園が大変です。

このため、徒歩圏内の保育園が理想的ですが、自転車での送迎を検討する家庭も少なくありません。しかし、妊娠中や下の弟妹がうまれてからの自転車利用には制約があるため、家族と事前に話し合い、最適な通園手段を選ぶことが大切です。

また、ベビーカーや自転車、車などの置き場所や駐車スペースも事前に考慮しておきましょう。

2.保育時間

認可保育園の保育時間は、一般的に朝7時~夕方18時前後です。しかし、延長保育が必要になる場合もあります。

たとえば、仕事の都合でお迎えが遅くなる場合や、早朝から預ける必要がある場合です。延長保育の時間は園によって異なり、多くの園では通常の保育時間に、1時間程度を加える形で延長保育を提供しています。

また、延長保育の利用には、年齢や定員の制限があるため、事前に確認しておきましょう。さらに、認可外保育園では、21時頃までの延長保育に対応しているところもあり、延長保育料も園ごとに異なります。

このため、延長保育の利用が多くなると予想される場合は、その費用も含めて予算を考慮しておきましょう。

なお、保育園の延長料金については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:延長保育の料金とは?時間の目安や利用するメリットもわかりやすく紹介します!|コカラ

3.受け入れ年齢

0歳から就学前までの子どもを受け入れる園が多いですが、特定の年齢以上しか受け入れない園も存在します。さらに、受け入れ可能な月齢も園によって異なり、産休明けの2か月から受け入れる園もあれば、6か月以上でないと受け入れない園もあります。

規模の大きな保育園では、本園と分園で受け入れ年齢が異なる場合もあり、年齢の上限を確認しなければなりません。待機児童解消のために増えた小規模保育園は、定員10〜19名でアットホームな雰囲気が人気です。

しかし、入園対象年齢が原則0〜2歳であるため、幼児クラスになるとほかの園を探す必要があります。多くの小規模保育園は卒園後にほかの保育園や幼稚園と提携していますが、希望どおりの園に入園できるとは限らないため、慎重な検討が求められます。

4.保育方針

それぞれの保育園は異なる教育方針を持ち、子どもたちの成長を支えています。たとえば、自由に遊ぶのを重視する園もあれば、規律や学習に力を入れる園や宗教の教えにもとづいた方針の園もあります。

保育園選びでは、子どもの性格や興味に合った教育方針を見極めることが大切です。保育園は子どもが多くの時間を過ごす場所になるため、慎重に選ぶようにしましょう。

また、保育方針だけでなく、日常の活動内容や持ち物、親の参加度合いなども考慮する必要があります。

5.料金

2019年10月から、幼児教育・保育の無償化が始まり、認可保育園や認定こども園を利用する3歳~5歳児クラスの子どもや、住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスの子どもは利用料が無料になりました。

また、認可外保育園の利用料も3歳~5歳の子どもは月額3.7万円まで、0歳~2歳の住民税非課税世帯の子どもは月額4.2万円までが無料になります。

しかし、0〜2歳児の場合、無償化の対象外となる場合があり、認可保育園の保育料は自治体と世帯所得によって異なります。また、認可外保育園の保育料は、月々10万円を超える場合もあるため、認可保育園より高額です。

東京都の場合、独自の基準を満たした「認証保育園」が存在し、自治体から補助金が出る場合もあります。そのため、事前にそれぞれの自治体サイトで保育料の算出方法を確認し、認可外保育園も視野に入れて検討しておきましょう。

CTA

保育園と保育所の違いでよくある3つの質問

保育園と保育所の違いでよくある3つの質問

次は、保育園と保育所の違いでよくある質問について紹介します。

  • 質問1.保育所と託児所の違いは?
  • 質問2.保育園と幼稚園の違いは?
  • 質問3.認定こども園の類型とは?

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

質問1.保育所と託児所の違いは?

託児所には、「国からの認可を受けていない保育施設」という明確な定義があります。一般的に、託児所は利用者と1日単位で契約を交わし、ビルやマンションなどで子どもを預かる民間サービスです。

また、劇場や各種教室、病院、美容サロン、ショッピングモールなどの施設内に、利用者が施設を利用する間だけ一時的に子どもを預かる場所も託児所に該当します。これらの施設では、両親の就業などの保育理由は問われないため、保護者が手軽に利用できる点が特徴です。

質問2.保育園と幼稚園の違いは?

保育園は厚生労働省の管轄で「児童福祉施設」として運営され、主に働く親のために子どもを預かるのが目的です。保育園では、基本的に0歳から就学前の子どもを対象に、長時間保育が行われます。

一方、幼稚園は文部科学省の管轄で「教育施設」とされ、子どもに対して教育するのが目的です。対象年齢は3歳から就学前までで、保育時間は主に午前中から午後の短時間です。

幼稚園の教育は、読み書き計算を教えるのではなく、探求心や協調性を育み、就学の土台を作ることに重点を置いています。このように、幼稚園は「教育」を提供する場として、子どもの心身の発達を促すプログラムが充実しています。

質問3.認定こども園の類型とは?

認定こども園には、4つの類型があり、以下のとおりです。

  • 幼保連携型

幼稚園と保育所の両方の機能を持ち、一体的に運営される施設。子どもたちに対して、教育と保育の両方を提供している

  • 幼稚園型

幼稚園に保育所的な機能を付加したもので、基本的には幼稚園として運営されているが、保育時間の延長など柔軟な対応が可能

  • 保育所型

保育所に幼稚園的な機能を付加したもので、主に保育しながらも教育的なプログラムを取り入れている

  • 地方裁量型

幼稚園・保育所のどちらとも異なる地域の実情に応じた施設。地域のニーズに合わせて、独自のサービスを提供している

これらの類型により、子育て世帯は自分のニーズに合った認定こども園を選択できます。保育時間や教育内容、運営方針などを考慮し、最適な施設を選ぶことが大切です。

CTA

まとめ

まとめ

本記事では、保育園と保育所の違いや保育施設の主な種類、選ぶ際のポイントをご紹介しました。

児童福祉法では「保育所」が正式な名称で、0歳から小学校就学前までの子どもが通う通所施設として定められています。施設名に関しては「保育所」とする規定はなく、自由に「〇〇保育園」と名付けられる場合があります。

また、保育施設にはさまざまな種類があり、認可保育園、認可外保育園、認証保育園、小規模保育園、認定こども園の5つが主な種類です。国や都道府県の基準を満たしている施設や多様なニーズに対応する施設、幼稚園と保育園の機能を併せ持つ施設など特徴はさまざまです。

これらの施設を選ぶ際は、自宅や職場からの距離や保育時間の柔軟性、子どもの年齢、保育方針、そして料金の負担などを総合的に考慮して、最適な保育施設を選ぶようにしてください。

なお、次のページでは、保育園の転園しやすい時期や手続き、注意点を詳しく解説しています。

関連記事:保育園の転園に最適なタイミングはある?転園しやすい時期や手続き、注意点を徹底解説!

編集部バナー

CTA

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP