保育園の入園を希望している方で、入園希望理由をどのように書いたらよいか悩まれている方もおられるのではないでしょうか。入園希望理由は、審査での判断材料になる場合もあるため、可能な限り具体的な事情や希望を丁寧に記載する必要があります。
本記事では、保育園の入園希望理由欄の書き方や記入する際のポイント、例文をご紹介します。また、よくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
保育園の入園希望理由欄とは?
保育園に入園を希望する際には、申請書類の提出が欠かせません。多くの場合、申請書には、なぜその保育園を選んだのか記載する欄が設けられています。
入園審査は、一定の基準にもとづいて点数で評価されますが、同点の場合には記載された理由が判断材料になる場合があります。このため、入園理由の欄には、可能な限り具体的な事情や希望を丁寧に記載するのが望ましいです。
保育園の入園希望理由欄の書き方
次は、保育園の入園希望理由欄の書き方について解説します。
- 保育が必要な理由
- その園を希望する理由
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.保育が必要な理由
保育園の入園にあたって、保護者が育児に専念できない理由を明確にする必要があります。共働き家庭や介護、就学、妊娠などの事情により、日中の育児が難しい場合、これを理由として入園を希望するケースが一般的です。
自治体によっては、入園申請書に詳細な理由を記載する必要があり、働く時間や家庭状況の具体的な説明が求められます。
2.その園を希望する理由
保育園への入園が必要な理由を明確にした後、その保育園を選んだ理由を整理することが大切です。自治体によっては、第一希望に加え、第二希望や第三希望まで記載するよう求められる場合があります。
たとえば、通勤経路に位置している点や、自宅や職場からの距離が近い、休日保育の実施状況などが挙げられます。また、自治体によっては残業時間や通勤時間が審査の対象となるため、自宅から保育園までの所要時間や、園から最寄駅までの距離、通勤にかかる時間を具体的に記載しましょう。
さらに、登園時間や保育時間が自分の勤務時間とどう関連するかの情報も欠かせません。このため、勤務の継続がその保育園でしか実現できない場合は、その理由も明確に記載するのがおすすめです。
入園希望理由を記入する際のポイントは3つ
次は、入園希望理由を記入する際のポイントについて解説します。
- 虚偽の内容は書かない
- 保育方針への共感を記入する
- 優先度の高さを強調する
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.虚偽の内容は書かない
入園希望理由欄を記入する際は、保育が必要な理由や家庭での育児が困難な理由を正直に記載することが大切です。虚偽の内容を記入してしまうと、申請時に提出する雇用証明書や診断書などとの整合性が取れず、結果的に申請が却下される可能性があります。
たとえば、就労や出産、病気などを理由にあげる場合には、証明書の提出が必要です。信頼性のある情報をもとに申請書を作成し、正しい手続きになるように注意してください。
2.保育方針への共感を記入する
保育方針への共感を入園希望理由として記入するのは、効果的なアプローチの1つです。保育審査が点数制で実施される場合、同じ点数の申請者がいた際の参考材料にする自治体もあります。
また、すでに兄弟が通っている保育園を強く希望する場合にも、保育方針への理解や共感を具体的に記載しておくと、審査側にとって前向きな印象を与えられます。保育園との相性を大切にしながら、真摯に理由を記載することが大切です。
3.優先度の高さを強調する
保育園の入園審査では点数制が導入されており、自治体ごとに利用基準が異なります。「子ども・子育て支援法」にもとづき優先的に利用できるケースに該当する場合は、希望理由にその旨を明確に記載することが大切です。
これにより、審査時に優先度の高さを強調できるため、入園の可能性が高まる場合があります。しかし、優先事項の運用は地域によって異なるため、自治体の基準を十分に確認して記入しましょう。
保育が必要な入園理由の例文
次は、保育が必要な入園理由の例文について紹介します。
- 求職中の場合
- 育休復帰予定の場合
- 病気の場合
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.求職中の場合
求職中の場合は、以下の例文を参考にしてください。
現在、夫の給与が減少しており、家計が厳しい状況にあります。夫婦ともに働いて収入を補う必要が生じています。 夫、または私の祖父母も遠方であるため、預け先が無く、私一人で子どもの世話と求職活動を両立するのが難しい状況です。このため、保育園に入園する必要があります。よろしくお願いします。 |
2.育休復帰予定の場合
育休復帰予定の場合は、以下の例文を参考にしてください。
私は現在、育児休業を取得しており、今後の職場復帰を予定しています。祖父母が高齢という理由もあり、子どもの保育をお願いできないため、保育園への入園を希望します。 もし、入園が承諾されない場合、これ以上の育児休業の延長が解雇につながる可能性を招いてしまうため、それだけは避けたい状況です。このため、ぜひ入園承諾をよろしくお願いします。 |
3.病気の場合
病気の場合は、以下の例文を参考にしてください。
添付した診断書のとおり、家族(自分)の病気により、日常的に通院しています。医師からも今後の治療に専念するように、強く勧められている状況です。 これにより、日常的な保育が困難な状況になるため、保育園の利用を希望します。どうぞ、ご理解の程よろしくお願いいたします。 |
その園を希望する入園理由の例文
次は、その園を希望する入園理由の例文について紹介します。
- 欄が狭い場合
- 欄が広い場合
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.欄が狭い場合
入園理由の欄が狭い場合でも、ポイントを押さえて簡潔に記載することが大切です。以下の例文を参考にしてみてください。
- 自宅や職場から近いため
- 実家からのサポートが得にくいため
- 通勤経路にあるため
- 保育方針に共感したため
保育方針は、どのようなところに共感したのかを端的に表現すると、簡潔ながらもしっかりとした内容を伝えられます。
2.欄が広い場合
入園理由の欄が広い場合には、より具体的な情報を含めて丁寧に記載しましょう。以下の例文は、自宅からの距離が近く、保育園の雰囲気が理由の場合です。
自宅から徒歩〇分圏内で、日々の通園が便利です。見学の際、園長先生のあたたかい対応と、子どもたちが元気に過ごしている姿を見て、信頼感を持ちました。 このため、ぜひ〇〇保育園への入園希望です。何卒、よろしくお願いします。 |
保育園希望理由でよくある3つの質問
最後に、保育園希望理由でよくある質問について紹介します。
- 質問1.保育園へ入園するための点数とは?
- 質問2.専業主婦でも保育園に入園希望は出せる?
- 質問3.保育園の途中入園は可能?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.保育園へ入園するための点数とは?
保育園への入園には、自治体に「保育の必要性」を認められる必要があります。この必要性は家庭の状況に応じて点数化され、点数が高い家庭から優先的に希望する保育園に入園できるシステムです。
このため、自分の世帯の点数を確認し、その状況を把握することが大切です。点数は親の勤務状況や健康状態などによって決まり、調整指数では家庭環境、同居家族の有無、兄弟の保育利用状況も反映されます。
なお、保育園入園における点数計算のシミュレーションについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2023年最新】保育園入園における点数計算のシミュレーション|点数を上げる3つの方法も紹介します!
質問2.専業主婦でも保育園に入園希望は出せる?
妊娠中や専業主婦である方も、条件次第で保育園に入園希望を出すことは可能です。とくに、虐待やDVのリスクがある場合は優先的に考慮されます。
また、障害のある子どもや双子の場合も、特別な事情として受け入れが検討される可能性があります。このため、保育園の入園を検討している場合は、自治体に相談するのがおすすめです。
出産前から状況を確認し、空き状況などの情報を収集しておきましょう。自治体によっては、妊娠中から申し込みが可能な場合もあります。
質問3.保育園の途中入園は可能?
年度の途中でも、保育園への入園は可能です。しかし、自治体ごとに保育園の空き状況は異なり、待機児童が多い地域では入園が難しい場合もあります。
途中入園を希望する場合、早めに希望する自治体へ連絡して、空き状況や必要な手続きを確認しましょう。また、入園申請の締め切りが自治体によって異なるため、スケジュールを事前に確認しておくのがおすすめです。
なお、保育園の途中入園については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:保育園の途中入園は可能?入りやすい時期からメリット、探し方まで徹底解説!
まとめ
本記事では、保育園の入園希望理由欄の書き方や記入する際のポイント、例文をご紹介しました。
保育園の入園希望理由欄は、保育が必要な理由とその園を選んだ理由を正確かつ簡潔に伝える必要があります。書き方としては、虚偽の内容を避け、保育方針への共感や優先度の高さを強調するのがポイントです。
また、記入欄の広さや保育が必要な理由に応じて具体的な例文を参考にし、適切な内容を盛り込みましょう。自治体によって、点数の基準や希望理由が判断材料になるかは異なるため、事前に確認するのがおすすめです。
なお、次のページでは、0歳児の慣らし保育の目的や期間、具体的なスケジュールを解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
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