YouTubeは、さまざまな情報やエンターテイメントが手軽に楽しめることから、大人だけでなく子どもにとっても魅力的な存在です。しかしその一方で、子どもにとって適切でないコンテンツも確かに存在します。
この記事では、子育て中の親が安心して子どもに見せられるYouTubeコンテンツの特徴や、安全な設定方法を紹介します。
子育て中に楽しめるYouTubeコンテンツの特徴は3つ
子育て中に楽しめるYouTubeコンテンツの特徴を紹介します。主に次の3つが挙げられます。
- 子育てに役立つ情報を提供する動画
- 学びやエンターテイメントを提供する子ども向け動画
- 実際の親子が出演するリアルタイム子育て動画
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.子育てに役立つ情報を提供する動画
子育てに役立つ情報を提供する動画は、新たな子育て法や、育児に関する最新の研究結果、さらには子どもの発達段階に応じた適切な遊び方や教育法など、親が知りたいさまざまな情報を動画形式で視覚的に学べるため、非常に役立つコンテンツです。
具体的な例として、「ベビー・マッサージ」や「離乳食の作り方」といった実践的な情報を提供する動画が挙げられます。これらの動画では、一般的なテキスト記事や書籍では伝えきれない、細かな手つきや料理の過程を視覚的に把握することが可能です。
視覚的な情報は記憶にも強く残りやすいため、動画から学んだ知識やスキルはすぐに毎日の育児に活かすことができます。
また、子育てに関する悩みや疑問を持つ保護者が多い中、専門家による講演やインタビュー動画も盛んに投稿されています。それらの動画を通じて、子育てのプロフェッショナルから直接、具体的なアドバイスや解決策を学ぶこともできます。
さらに、最近では科学的な根拠に基づいた子育て情報を提供するYouTubeチャンネルも増えてきています。心理学や発達心理学などの専門知識をもとにした育児法をわかりやすく解説する動画は、子どもの成長とともに変わる育児の課題に対して、理論的な背景を理解しながら適切な対応を計画するのに役立つでしょう。
2.学びやエンターテイメントを提供する子ども向け動画
学びやエンターテイメントを提供する子ども向け動画は、新しい知識や学びを子どもに与えます。エンターテイメント性もあわせ持っているため、子どもが飽きることなく学び続けられるのもメリットです。
視聴できるコンテンツは多岐にわたり、たとえば英語を学ぶアニメーションや、科学実験をするキャラクター、宇宙について教えてくれる教育番組などがあります。物語を通じて情報を伝える動画は、子どもの想像力を養うとともに、楽しみながら学習することが可能です。
また、親子で一緒に楽しむことが出来る動画も増えています。たとえば、親子で一緒に取り組めるおもちゃの作り方や、親子で楽しめる実験動画などがあります。これらの動画は、親子のコミュニケーションを深める機会にもなります。
さらに、YouTubeには多くの教材が揃っているため、視聴することで視覚的な学習を促進し、理解を深めることもできます。これらの動画を活用することで、家庭での学習の機会を増やすことも可能です。
3.実際の親子が出演するリアルタイム子育て動画
実際の親子が出演するリアルタイム子育て動画は、子育てのリアルな一面を描き出す、新たなコンテンツのひとつです。親子の日常生活や、育児にまつわる課題、喜び、困難などがリアルタイムで配信されるため、視聴者は彼らと共に子育ての喜怒哀楽を体験することができます。
これらの動画では、「食事の準備や寝かしつけの方法」、「家族とのコミュニケーション」、「子育て中の悩みや解決策」など、具体的な子育てのノウハウだけでなく、親子関係の築き方や家庭内の雰囲気を学ぶことも可能です。
また、動画を通して、一緒にいるような錯覚を生むため、孤独感を感じている子育て中の親たちにとっては大きな助けとなります。親子が出演するリアルタイム子育て動画は、視聴者に対して「あなたは一人ではない」というメッセージを伝え、共感や安心感を提供します。
子育て中に見せるべきでないYouTubeコンテンツの特徴は3つ
一方で、子育て中に見せるべきでないYouTubeコンテンツもあります。主に次の3つの特徴が挙げられます。
- 誹謗中傷や暴力性を含む動画
- 子どもに不適切な言葉遣いや行動を示す動画
- 著作権やプライバシーを侵害する動画
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.誹謗中傷や暴力性を含む動画
誹謗中傷や暴力性を含む動画は、子供たちが模倣しやすく、精神的ダメージを与える可能性があるため、見せるべきではありません。これらの動画は出演者が他者を罵倒したり、身体的な暴力を振るったりするシーンを描いていることが多く、子供たちはこれを見て過度に攻撃的な行動を学ぶ恐れがあります。
また、こうした動画は子供たちのストレスや恐怖感を増大させ、心の安定に悪影響を及ぼす可能性もあります。これらのネガティブな影響は、子供の発育や学習能力にも影響を及ぼし得るため、十分な注意が必要です。
2.子どもに不適切な言葉遣いや行動を示す動画
YouTubeにはさまざまなジャンルの動画が存在しており、その中には子どもにとって不適切な言語や行動を含むものもあります。これらの動画は子どもの言葉遣いや行動に悪影響を与える可能性があるため、視聴を制限することを強く勧めます。
例えば、暴言を吐くキャラクターや、人をけなす、乱暴な行動をとるなどの内容が含まれている動画は避けましょう。これらの動画は言葉遣いや行動が悪化する可能性があり、子どもの社会的な人間関係に影響を及ぼす恐れがあります。
また、これらの不適切な動画は子どもの感情や思考にも影響を与えます。子どもは模倣することで学ぶ傾向にあり、見聞きしたことを真似する可能性が高いため、視聴するコンテンツは慎重に選ぶべきです。
3.著作権やプライバシーを侵害する動画
著作権やプライバシーを侵害する動画も、子育て中に避けるべきYouTubeコンテンツのひとつです。これらの動画は、他人の作品を無断で使用したり、個人のプライバシーを不必要に公開したりすることから、子どもに対して不適切な範囲の示しや、倫理的な問題について誤った理解を持つ可能性があります。
それぞれの動画は一見エンターテイメントとして楽しめるかもしれませんが、子どもが正しい倫理観やマナーを身につけるためには適切なコンテンツを選ぶことが大切です。
子育て中におすすめ!YouTubeの安全な設定方法は4つ
ここでは、子育て中におすすめするYouTubeの安全な設定方法を紹介します。主に次の4つです。
- 制限モードを活用する
- チャンネル登録を利用する
- YouTube Kidsで管理する
- YouTubeプレミアムに登録する
項目ごとに詳しくみていきましょう。
1.制限モードを活用する
制限モードはYouTubeが提供する機能のひとつです。適切でないとみなされるコンテンツを一部制限することで、子どもたちが安全にYouTubeを利用するための環境を整えるのに役立ちます。
まず、YouTubeにサインインし、画面右下の設定アイコンをクリックします。その後、「詳細設定」を選択し、「制限モード」をオンにするだけです。このモードを有効にすると、YouTubeが不適切と評価した動画がフィルターされ、再生リストから消えます。
しかし、すべての不適切なコンテンツを100%排除するものではないため、親自身がチェックして対応することも大切です。
2.チャンネル登録を利用する
YouTube上に存在する多数のチャンネルの中から、子どもに適した内容を提供しているものを厳選し、チャンネル登録できます。チャンネル登録は無料で、管理画面からいつでも登録の解除が可能です。
そのため、子どもの成長や興味の変化に合わせて、登録しているチャンネルを見直すことも簡単です。また、信頼できるチャンネルであれば、子どもが自由に閲覧しても内容が適切であることが保証されます。
一方で、どのチャンネルが適切かの判断は親にあるため、登録前には必ず企業や製作陣、提供元などの確認が必要です。
3.YouTube Kidsで管理する
YouTube Kidsは、YouTubeが子ども向けに開設した専用のプラットフォームで、コンテンツはすべて子どもが安心して視聴できるものだけに厳選されています。
利用者本人が子どもであることを認識し、視聴内容を自動的にフィルタリングします。さらに、子どもが閲覧する動画やチャンネルを制限する機能も備わっています。
また、リマインダー機能を活用すれば、一定時間経過後にYouTubeの視聴を中断する通知が送信され、長時間の視聴を防ぐことも可能です。
利用方法は、YouTube Kidsアプリをダウンロードし、アカウントを作成します。子どもの年齢を入力すると、自動的に年齢に応じたコンテンツが配信されます。
設定画面から「視聴時間の設定」や「承認済みのコンテンツのみを見せる」などを選択し、子どもの視聴環境をカスタマイズすれば完了です。
4.YouTubeプレミアムに登録する
YouTubeプレミアムは月額料金を支払うことで、広告なしで動画を視聴できるサービスです。子どもが動画を視聴する際、予期しない広告によるコンテンツへの露出を避けることができます。
さらに、プレミアム会員には、動画をオフラインで保存できる機能も付与されています。これにより、外出中や通信環境が悪い場所でも、事前にダウンロードした動画を視聴することが可能です。
ただし、YouTubeプレミアムはあくまで広告を非表示にするためのもので、コンテンツそのものをフィルタリングするものではありません。そのため、視聴する動画の選択には、親が十分な配慮をすることが求められます。
子育て YouTubeでよくある3つの質問
さいごに、よくある質問にお答えします。
- 質問1.子育て中、子どもにYouTubeを見せている人は多い?
- 質問2.子どもがYouTubeばかり見るのは悪影響?
- 質問3.子どもがYouTubeを視聴する際どのようなルール作りが必要?
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.子育て中、子どもにYouTubeを見せている人は多い?
引用:約67%が子育てにYouTubeを活用 賛成派の意見は? – ITmedia ビジネスオンライン
保険ガイド「リアほ」を運営するWDCが実施した「子育てとYouTubeに関するアンケート調査」によると、子育て中に子どもにYouTubeを見せている親が多いことが明らかになりました。
調査結果では、「よく見せている」と回答した割合が最も高く、41.0%に達しました。これに続いて、「ときどき見せている」と回答したのは25.6%で、YouTubeが現代の子育てに広く取り入れられている様子が伺えます。
引用:約67%が子育てにYouTubeを活用 賛成派の意見は? – ITmedia ビジネスオンライン
また、子どもの年齢層別では、0〜1歳が28.46%と最も低い割合で、「よく見せている」の回答は年齢が上がるにつれて増える傾向が見られました。これは年齢に応じてYouTubeの内容や視聴時間を調整する親が多いことを示しています。
質問2.子どもがYouTubeばかり見るのは悪影響?
YouTubeは、世界中からさまざまな人がコンテンツを配信しており、その中には子どもに悪影響を及ぼす可能性のあるものも含まれています。しかし、教育的価値の高いコンテンツも多く存在し、すべてが否定的な影響を与えるわけではありません。
適切な視聴環境を整えれば、YouTubeは子どもの学びに役立つツールにもなり得ます。そのため、親子でYouTube視聴のルールを設定し、守ることが重要です。ルールの範囲内でYouTubeを利用することで、子どもの教育にプラスの効果をもたらすことができるでしょう。
質問3.子どもがYouTubeを視聴する際どのようなルール作りが必要?
子どもがYouTubeを視聴する際、多くの親はルールを設定しています。総務省の調査によると、次の4つのルールが多く見受けられました。
- 大人の目の届く範囲で使わせている
- 利用する際に時間や場所を指定している
- 子ども向けの機器等を使わせている
- 子どものネット利用状況を把握している
参照:令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)P.20
動画の内容は多岐にわたるため、親が監督できる範囲での視聴を心掛けることで、子どもを不適切なコンテンツから守ることができます。
また、視聴時間を「30分だけ」「1時間だけ」と事前に決めることで、YouTubeの過度な使用を防止します。大人でもYouTubeのダラダラ視聴に陥りやすいため、子どもの視聴時間管理は特に重要です。
まとめ
適切な安全対策を講じた上で使用すれば、YouTubeは子どもにとって楽しい学びの場であり、親にとっても精神的な余裕をもたらすツールになります。
日常生活において欠かせないデジタルツールとしての役割を果たすYouTubeは、単に「見せるか見せないか」ではなく、適切なルールを設けて賢く利用することが重要です。子育てにおける有益かつ安全なYouTubeの使い方を心掛けましょう。
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